THE RAMPAGE長谷川慎が語る、役として生きる楽しさ 初主演舞台で自身の“芯”からの成長目指す

「ロミオ&ジュリエット」でロミオを演じるTHE RAMPAGE・長谷川慎撮影=友野雄

1月28日(土)~2月12日(日)に東京・Bunkamura シアターコクーンにて、「ロミオ&ジュリエット」が上演される。誰もが知るシェイクスピアの名作悲劇、ロミオ役を務めるのはTHE RAMPAGEのパフォーマーである長谷川慎。ダンスパフォーマンスに定評のある彼だが、舞台出演は本作が3作目かつ、初の主演となる。近年ドラマ出演も増えつつあり、演技の仕事に関心が強いという彼に、役を演じることの面白さや、アーティスト活動との共通点を聞いた。俳優としてもアーティストとしても「どんな瞬間を切り取ってもカッコよくいる」「ダサいことをしない」ことが自身の芯だと語る長谷川は、ロミオにどう向き合うのか。

“その人っぽさ”が落とし込まれているロミオが魅力的


──「ロミオ&ジュリエット」に出演することや、ロミオ役を演じることに対して、現在どのような心境でいますか?

まだ顔合わせもしていないのですが、台本を読ませていただいて「いよいよ始まるな」と。あとは、ロミオってやっぱすげーなって。台本のセリフ量を見て、どれだけ重大な役かっていうのを思い知らされたというか。まぁ覚悟はしていたんですけど……ヤバイなって思っています(笑)。

──ちょっとビビっているところも?

そうですね。でもあんまりネガティブにはなりたくないので、どう乗り越えてやろうか、みたいな感じですかね。意志としては強いです。

──公式サイトでは「自分の今まで生きてきた人生とリンクさせて全身全霊で役と向き合い、共に成長をして、観に来て下さった方々の心に響く作品をお届けします」とコメントを出されていますが、ロミオという役は、ご自身の今までの人生とどのあたりがリンクしそうですか?

もちろん舞台の中では、ロミオとして生きていくんですけど、“長谷川慎がやるから出せる魅力”みたいなものを出したくて。ロミオはこれまでいろいろな俳優さんが演じられていますが、やはり“その人っぽさ”が落とし込まれているロミオが魅力的だと思うんです。だから、お芝居だけじゃなくて、アーティストとして活動してきた自分とか、そんな自分が纏っているオーラとか、ファッションが好きな自分、音楽が好きな自分とか、自分が見たり経験してきたりしたものが、ロミオとして生きていく中でも滲み出たらいいなって。

──では「ロミオと自分はこういうところが似ている」とかそういうことではなく?

あ、いや、そこも考えました。ロミオって、周りが見えなくなるくらい恋愛に入り込んじゃっているじゃないですか。ジュリエットに対する愛がロミオを動かしていると言えるほど夢中になっている。そういう周りが見えなくなるくらい何かに没頭する感じは自分に似ているなと思います。小学生の頃に出会ったダンスを10年以上変わらずにやり続けていることもそうですし、小さい頃からフィギュアを集めているんですけど、今も変わらずに好きで集めていて。ファッションもずっと好きですし。そういう一つのことに没頭する感覚は似ているのかなと思いますね。

THE RAMPAGE・長谷川慎撮影=友野雄


芝居の仕事は「役として生きられることがすごく楽しい」


──先ほど、台本を読んで改めてロミオという役の重大さに気づいたとおっしゃっていましたが、これまでに何かしらの「ロミオとジュリエット」作品を観たことはありましたか?

実は、今まで「ロミオとジュリエット」を見たことがなかったんですよ。話はなんとなく知っていましたけど、細かい部分は知らなくて。今回のお話をいただいていから、佐藤健さんと石原さとみさんがやられていた舞台『ロミオ&ジュリエット』と、(レオナルド・)ディカプリオさんの出ている映画『ロミオ+ジュリエット』を観ました。ディカプリオさんのほうを先に観たんですけど、ディカプリオさんが演じているロミオがめちゃくちゃカッコよくて、「この役を演じられるのってすげーおいしいじゃん」「こんなカッケー役を演じられるんだ!ありがとうございます」と思いました。そのあとに観た佐藤健さんのロミオも、すごくカッコよかったし、「こんなふうに演じられたらすごく楽しいんだろうな」と思いました。「ロミオとジュリエット」はストーリーとしては残酷ですが、やりきったときの達成感はすごく大きそうだし、自分自身もすごく成長できるんだろうなって。

──長谷川さんはTHE RAMPAGEのパフォーマーとして活躍されていますが、近年はドラマや映画、舞台への出演も増えてきています。かねてより「お芝居の仕事をもっとやっていきたい」とお話しされていますが、お芝居の面白さはどのようなところに感じていますか?

以前「顔だけ先生」(2021年、フジテレビ系)に出させていただいたときに、役として生きられることがすごく楽しいと思ったんです。そのとき演じたのが、陰キャから陽キャに変わっていくという役だったのですが、普段アーティストとして生活している自分が思わないことや言わないことも、その役の感情になると感じられるし言える。その対極を生きている時間がすごく面白かった。普段生活していたらまず体験することのない経験を、お芝居の世界だと生きられるんですよね。そんな2つの人生を生きている感覚が楽しいなと思いました。

THE RAMPAGE・長谷川慎撮影=友野雄