ジョージ・ルーカスが原案・総指揮を、米アカデミー賞受賞監督のロン・ハワードが監督を務めた1988年公開の映画「ウィロー」。その続編となるオリジナルシリーズ「ウィロー」で、主人公・ウィローの日本版声優を務めているのが、「ドラゴンボール」シリーズのトランクス役や、テレビアニメ「SLAM DUNK」の主人公・桜木花道役などで知られる草尾毅だ。1月11日に最終話が配信されたこの機会に、劇場版でウィローの声を担当した故・富山敬さんから引き継ぎ、ウィローの魅力を表現してきた草尾について紹介したい。
草尾は小学生の頃に“声優”という仕事を知り、中学生の時、創刊して間もないアニメ雑誌を持っていたクラスメイトにいろいろ教わるうちにアニメに詳しくなったという。大学受験は不合格になったが、その時に現在所属している声優事務所「青二プロダクション」が経営する青二塾に入塾し、声優としての基礎を学んだというから、人生において何が転機になるか分からないものである。初仕事は押井守監督の初の実写映画「紅い眼鏡/The Red Spectacles」(1987年)での死体役というのも、今思えば意外な経歴と言える。
ブレイクしたのは1988年4月から1989年3月まで放送されたアニメ「鎧伝サムライトルーパー」。この作品の人気をきっかけに、“烈火のリョウ”こと真田遼の声を担当した草尾は、主要キャラクターに声を当てた佐々木望(水滸のシン)、竹村拓(天空のトウマ)、中村大樹(光輪のセイジ)、西村智博(金剛のシュウ)と共に“NG5”という声優音楽ユニットを結成し、多くのイベントライブを行った。当時、声優ユニットは珍しい存在で、そのブームはニュース番組などで取り上げられるほどの人気を誇っていた。
その後に「ドラゴンボールZ」のトランクス役、「SLAM DUNK」の桜木花道役がハマり役となり、ますます人気声優としての地位を確立。「ドラゴンボールZ」のトランクスに関しては、青年期だけでなく幼少期、さらにはフュージョン時のゴテンクスの3役を演じており、器用さと幅の広さも感じさせる。
個人の感想にはなってしまうが、声優・草尾の特徴というか、魅力となっているのは“凛々しいヒーロー”役にふさわしい、いわゆる“王道イケメンボイス”であるということ。真田遼やトランクスもそうだが、ゲームの「戦国無双」シリーズの真田幸村役も、草尾の声にうまくハマったキャラだと言える。また、洋画の吹替においても、「タイタニック」「ロミオとジュリエット」「セレブリティ」などでハリウッドが誇るイケメン俳優のレオナルド・ディカプリオ、そして「インディ・ジョーンズ/最後の聖戦」「旅立ちの時」ではリバー・フェニックスという早世のイケメン俳優の声を演じたことも、特徴と一致している。
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