高杉真宙、“爽やかな好青年”が見せる狂気…振り幅大きな役に説得力を持たせる真摯な演技

2023/01/15 11:10 配信

ドラマ コラム

2022年秋は“朝ドラ”も月9も!

高杉真宙※2022年ザテレビジョン撮影


とはいえ、高杉は常に成長し、変化していく俳優である。その後もいろんなタイプの作品に出演し、作品ごとに違う一面をしっかりと見せてくれている。2021年に放送されたドラマ「婚姻届に判を捺しただけですが」(TBS系)では、動物病院の看護師・牧原唯斗という、清野菜名演じる主人公・大加戸明葉の悩みを聞いてあげる人当たりのいいキャラを演じたり、2022年10月期の月9ドラマ「PICU 小児集中治療室」(フジテレビ系)では主人公の幼なじみで勤勉な新米救急医役、同10月スタートの連続テレビ小説「舞いあがれ!」ではヒロインの大学時代の先輩役、映画「異動辞令は音楽隊!」ではサックス奏者を演じるなど、その作品に必要な役回りを任されている。

ちなみに2022年はバラエティー番組「ぐるぐるナインティナイン」の“ゴチ”企画にもレギュラー出演し、好青年ぶりを見せるとともに、コロコロチキチキペッパーズ・ナダルの物まねなどを半ば“持ちネタ”のごとく振り切って披露し、おちゃめな一面ものぞかせた。

そして、ディズニープラスの「スター」で毎週水曜に配信中の「ガンニバル」。柳楽演じる主人公・阿川大悟をはじめ、笠松将が演じる後藤恵介、さぶ役の中村梅雀など、普通ではないキャラが多い中で、“顔を喰われた”という特殊な経験の持ち主である寺山京介もまた普通じゃないキャラである。「渇き。」「散歩する侵略者」同様、このキャラを演じたことで、俳優としての新しい扉を開いた高杉。何事にも真摯に全力で向き合う彼が演じることで、振り幅の大きな役にも説得力がつく。

京介という新しい要素が加わったことで「ガンニバル」の恐怖と興味がグンと増してきたので、後半戦は特に高杉の演技に注目したい。

◆文=田中隆信