北村匠海&中川大志「小さい頃から同じ役を取り合っていた」W主演は“宿命”

2023/01/19 21:54 配信

映画 会見

1月19日、都内にて映画「スクロール」完成披露舞台あいさつが行われた撮影=山田健史

俳優の北村匠海中川大志が1月19日、都内にて開催された映画「スクロール」完成披露舞台あいさつに、松岡茉優古川琴音清水康彦監督と共に出席。中川が、北村とは10代頃のから同じ役を奪い合っていたと語る場面があった。

映画「スクロール」の原作は橋爪駿輝が2017年に発表したデビュー小説「スクロール」。理想と現実のギャップに溺れながらも、社会そして自分と必死に向き合う若者たちのリアリティーあふれる青春群像劇で、実生活でも小学生からの友人である北村と中川のW主演作となっている。

映画で描かれた物語は「いろんな要素の詰まったふわふわした世界」

北村匠海 映画「スクロール」完成披露舞台あいさつより撮影=山田健史


北村は「“僕”という名前の役を演じるのはおそらく3回目くらい。そのたびに思うんですけど、すごく俯瞰的な感覚を持っていないといけないと思う」と持論を展開。作品を「大志の演じるユウスケと僕の演じる〈僕〉という二つの色に分かれていると思う」と分析し、「〈僕〉と〈私〉の世界はすごく抽象的でありながらグロテスクでありファンタジーでありリアリティーがある、いろんな要素の詰まったふわふわした世界」と映画で描かれた物語について語った。

また中川は「ユウスケはテレビ局で働いている男で、周りには一見すごくたくさん人がいて、女性関係も派手なような男なんですけど、本当の意味で、すがれる人物が気付いたら周りにいないことに気付いてしまう」と役柄を解説。その上で、「姿かたちは〈僕〉とユウスケって違う人物なんですけど、内側で抱えているものが繋がる部分があって、同じ人物を二つに分けたような。繋がる部分がたくさんあるキャラクターなのかな」と口にした。

10代の頃は毎回同じオーディションに行っていた二人

映画「スクロール」完成披露舞台あいさつより撮影=山田健史


中川は「匠海と出会ったのは僕が小学校4年生の時で、匠海が小学校5年生の時。一緒に同じ事務所で演技レッスンを小学生クラスみたいなところでやって、レッスンの帰りは一緒にファミレス行って、みたいな」と告白。

そして「10代の頃は同じオーディションに毎回行って『また匠海いるよ』みたいな。同じ役を奪い合って、どっちかが落ちてどっちかが受かってみたいなことを繰り返してきた仲でして。それからもその後も、僕はすごく意識する存在。匠海が頑張っている姿を見て、自分も頑張ろうと思えるような存在だった」と続け、「そんな匠海と20代半ばくらいになって同じ映画でW主演を務めることができて、こうして立っていることがすごく感慨深い」とコメントした。

北村も「小さい頃から同じ役を取り合っていた、そして仲間である大志と『スクロール』でW主演をできたのはなんでだろうなと考えると、たぶんユウスケと〈僕〉というのが表裏一体でひとつだから、僕たち二人がW主演をやれているのかな。きっとこういう形で僕らが共演するのが宿命というか運命というか、この作品で良かったなと思います」としみじみと語っていた。

映画「スクロール」は、2月3日(金)よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国公開。

◆取材・文=山田健史