俳優の鈴木亮平が、2月11日に都内で行われた映画「エゴイスト」の公開記念舞台あいさつに、宮沢氷魚、阿川佐和子、ドリアン・ロロブラジリーダ、松永大司監督と共に登壇した。
2020年に亡くなった高山真の自伝的小説を映画化した本作。ゲイであることを隠しながら生きる主人公・浩輔(鈴木)と、シングルマザーの母親を支えながら暮らすパーソナルトレーナーの龍太(宮沢)。引かれ合う二人の重ね合った時間を描いた作品となっている。
公開初日の2月10日に劇場で見たという鈴木。「ドキュメンタリータッチで撮っていて、自分がどういう表現しているのかを一切意識しないまま、その人物として過ごしていた日々が続いていたので、これまでに何度か見ましたが『この人ってこういう人なんだ』とか『こんなふうになってるんだ』って、客観的に見られませんでした。でも、昨日初めてお客さんと一緒に見て、同じところで泣いて、『こういう気持ちか!』というのを感じました」と、初めて客観的に見ることができたと語る。
そして、「本当にいろんな受け取り方ができる映画だなと思いました。僕も見るたびに毎回感想が違うんですけど、昨日見た時は“わがままってすてきだな”って思いました。言葉にできないからわがままになってしまうんですけど、それをストーリーで伝えられるのが映画の素晴らしいところだと思いました」と作品の感想も伝えた。
また、SNSでの感想もチェックしていると言い、「前回の完成披露から感想を1ツイートも逃さず読ませてもらってます(笑)。批判も称賛も含めて、皆さんのご意見を参考にさせていただきました」と明かした。
最後に、「僕は原作にすごく感動して、ぜひやりたいと周りを説得してやらせていただくことになりましたが、台本を見て『これじゃあ、やれない』と思って監督に電話したこともありました。その時、監督がおっしゃったのは『僕を信じてくれ。僕が作る映画は脚本から役者がリハーサルで演じるのを見て、どんどん生きたものにしていく。僕の作品は台本では伝わらないんだ』と言って一生懸命説得してくださいました。今こうして皆さんの前に立って、皆さんの表情を見ていると、信じて良かったなって思います。監督、ありがとうございます」と松永監督に感謝の気持ちを伝えた。
映画「エゴイスト」は全国公開中。
◆取材・文=田中隆信