吉高由里子が可憐でいて強さや弱さの機微を見せる、抜群の表現力<星降る夜に>

2023/02/15 13:38 配信

ドラマ レビュー

吉高由里子の表現力に引き込まれる

医師として真摯に向き合い、第2話での「かわいそう」ということへの違和感を抱く心、そして、ろう者である一星へのフラットな接し方など、鈴の強さを備えた人となりが描かれてきた。

また、一星と話したいからと手話を猛スピードで覚えようとしたり、誰かにつけられているような気がして怯えていたところに現れた一星に送ると言われて「わーい」と素直に喜んだりと、ピュアなかわいさもある。

弱音を吐くことができない性格だが、深夜に「大丈夫じゃないときは大丈夫じゃないと言ってください」と温かい言葉をかけられて、思わず涙した場面もあった。

吉高の演技力は、そういった鈴の心の機微を見る者に自然と伝えてくれる。強さや弱さ、可憐さを内包した鈴という人物を魅力的に見せている。連続テレビ小説「花子とアン」(2014年、NHK総合)、「東京タラレバ娘」(2017年、日本テレビ系)、「最愛」(2021年、TBS系)などで主演を重ね、2024年大河ドラマ「光る君へ」で主演を務めることが決まっている、確かな演技力の賜物。

第3話では、深夜が10年前に妊娠中の妻と胎児を亡くした時に研修医だった鈴が泣いてくれて、医師を目指すきっかけになったことが明かされているが、いつしか感情を抑え込んでしまっていたところから変わりつつあるところも。このあとも吉高が見せてくれる鈴の姿が楽しみだ。

さて、物語は、鈴をおびやかす人物についてはまだ正体が判明しておらず、一星、深夜との三角関係も加速する勢い。さらに、一星に千明の娘・桜(吉柳咲良)がキスするところを鈴が目撃と、波乱が続く。

◆文=ザテレビジョンドラマ部

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