しかし、みんながやられている様子を見て、八戒は刃物を持って大寿に向かって走り出した。が、タケミチは「こんな事したらオマエお前 どうしようもない奴になっちゃうんだぞ!?」と、“立ち向かう”意味を気付かせようとする。そして、立ち向かうことの意味を身をもって示すため、タケミチは大寿の前に立ちはだかった。頭の中に浮かんだのはヒナタの「君は負けるってわかってて助けに来てくれたんだよ」という言葉。
“まだ懲りねえ”が取り柄だと言い放ち、殴られても殴られても向かっていく。千冬も「もういいタケミっち オマエはよく頑張ったよ」と負けを認めようとしたが、タケミチが本領発揮するのはここからだった。“ヒナ、俺に勇気を!”と四葉のクローバーのペンダントに思いを託し、さらに大寿に向かっていこうとしている。
マイキーたちが来ないと分かった時、一番絶望して、一番弱腰になっていたタケミチだったのに、ここ一番の粘り強さ、他の者が理解できない“諦めの悪さ”があって、スイッチが入ったタケミチはまさに命知らず、怖いもの知らずという、底知れない怖さがある。このタケミチの行動はきっと何かを動かすはずだ。
◆文=田中隆信
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