――麻美が経験する職業についても、描写がそれぞれリアル過ぎると話題になっていますね。「テレビ局編」では、小田さんご自身の体験も含まれているのでしょうか?
私も升野さんの取材対象者でした。ただ私だけでなく、たくさんのドラマスタッフを取材しています。なので、私だけの話では断じてありません(笑)。
4~6話の撮影中は、現場の私たちもずっと変な汗をかきながら撮影をしていました。衣装合わせのシーンとか、わざわざ世の中の人に見せるようなことじゃないんだけどなあ、って(笑)。テレビ業界ってもっと華やかなイメージでダイナミックなエピソードも描けそうなのにそういうシーンはまったく出てこない(笑)。でも実際には地味なことの積み重ねだったりするので、今回みたいな側面をお見せできて、しかもそれを視聴者の方にも面白がってもらえて、いい思い出になりました。
そして、「テレビ局編」に限らず、地方公務員や研究医、パイロットの方たち、皆さん同じように取材をしています。じっくり時間をかけて根掘り葉掘りどうでもいいことまで聞くんです。「薬剤師編」で、野間口徹さん演じる宮岡を“自分では絶対に鍵を開けないキャラクター”として描いているのですが、実際にそういうエピソードを話してくれた人がいて(笑)。升野さんも面白いと思ったみたいで、それをそのまま書いてました。
かなり個人的な話に感じるけど、実際にそういう人がいるっていうことは、似たようなことをする人はたくさんいるのかなと思うので、すごく良いと思います(笑)。その仕事の根幹ではないところまで取材しているからこそ、リアルで面白いものを作ることができているのかなと思っています。
この記事の関連情報はこちら(WEBサイト ザテレビジョン)