――渡辺守綱を演じる上でどのように役づくりをされましたか?
渡辺守綱は槍の名手であったということで、豪快な立ち回りも見どころです。そして、性格としては「おおらか・女好きの一面もある・我が道を行くタイプ」だと最初に伺いました。それを聞いてぱっと浮かんだのは、僕がずっと演じてきた、あの“ガキ大将”でした。豪快で自由奔放だけど、ここぞという時はすごく優しくて頼りになる。そうした部分が重なり、役のイメージは“ガキ大将”とも照らし合わせながら膨らませました。
そして今回、渡辺守綱を演じるにあたっては、オリジナリティを出したいという思いもあり、あえて戦国時代っぽくないキャラクター作りをしようと努めています。もちろん考証の先生方がいらっしゃるので、所作から言葉遣いまで細かくご指導くださっています。でも、「少しだけその枠を超えてみようう!」という試みをしているところです。「どうする家康」という作品の中で、やや異色というか、視聴者の皆さんの想像をほんの少しだけ超えられるような役作りを頑張ってみたいと思っています。
――本證寺・寺内町でのシーンはいかがでしたか?
本證寺の寺内町で印象に残っているシーンの一つに、「南無阿弥陀仏」とお経を唱えながら、皆で大盛り上がりし踊るシーンがあります。多くの人はそれぞれ踊っているのですが、守綱だけは周りにいる女性たちを集めて「一緒に踊ろう」と手を取るんです。考証の先生のお話では、人前で男性に手を握られることは、当時の女性にとって恥ずかしいこと。さらに、手を引かれて腕が出てしまうと、それはより一層恥ずかしいことだったのだそうです。
しかし、守綱の性格を考えると、きっとテンションが上がると身体が勝手に動いて、気が付いたら女性の手を掴んで一緒に踊ってしまう勢いがあるのではないかなと。なんせ豪快な男ですから(笑)。そうしているうちに女性の側も恥ずかしいなんて気持ちは吹き飛んでいき、楽しい雰囲気で一緒に踊り出すという。
守綱らしさを出しつつ、シーン全体の空気を作っていけたらと思いながら演じましたので、注目していただければ幸いです! 視聴者の皆さんに物語を楽しんでいただくことを第一に考えつつも、時には時代背景にとらわれ過ぎず、“我が道を行く守綱”を意識して演じていけたらと思っています。いい塩梅を模索していきたいです。
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