「佐藤(健)さんが1度全部演じているんです」、松山ケンイチによる“憑依シーン”の裏側が明らかに<100万回 言えばよかった>

2023/03/10 07:00 配信

ドラマ インタビュー

合言葉は「どうせ幽霊なんだったら面白く!」


――今作で幽霊役を演じている佐藤さんと撮影前にはどのようなお話をされたのでしょうか?

幽霊が登場するにあたり、視聴者の皆さんがどういう幽霊のシーンを見たいか話し合いました。例えば、いると思っていた方向とは別の方向にいるとか、(壁や人を)すり抜けちゃうとか…「どうせ幽霊なんだったら面白く!」と思っていて。

「なんで俺はこうなっちゃったんだ!」と悲観的になるのではなくて、(ドラマを)見た人がクスっと笑える幽霊シーンには何があるのか、アイデアを出し合いました。

直近の話では愛する人を守れない、気持ちを伝えることが出来ないもどかしさや悲しみに加え、現世にはもどれないのであればどうしたらいいのか、みたいなことを考えることが多くて。最初は「幽霊楽しい!」というシーンをどう作るか試行錯誤していたのですが、今はより内面的なものの表現にフォーカスを当てています。

――SNSでは“ゆずきゅん”という言葉も誕生し、究極の巻き込まれキャラとして活躍中の譲演じる松山さんはいかがでしょうか?

このドラマは彼がいないと話が成立しないので、第7話で(悠依と直木と)離れなくてはいけなくなって、どうしたらいいのか分からないくらい混乱しました(笑)。それと共に視聴者の皆さんの譲への共感度が高まってきていて「作り手と視聴者の皆さんの気持ちは一緒ですよ!」と伝えたいです。

お芝居の面でも彼が面白い空気に変えてくれることで、2人が救われることが多いと思うんです。なので、“巻き込まれキャラ”ですが、“最高の癒やしキャラ”ですし、しかも犯人も逮捕してくれるという…何度でもおいしいキャラクターですね(笑)。

――譲の印象的なシーンですと、やはり直木の憑依シーンが思い浮かびます。

そうですよね…実は、(憑依シーンを)まずは佐藤さんが1度全部演じているんです。それを見ていた松山さんが本番で演じるという流れなのですが、「1回しかやっていないのにすごいな」と思いながらいつも見ています。

後から「あそこはすごい似ていたね」と声を掛けると、「あれは健くんがわざと強めにやってくれたんだと思います」と返されたことがあって。役者同士だからこそ分かるプロな会話が繰り広げられているようです。