深夜が生まれたばかりの赤ちゃんを見て“変顔”になってしまうというのも1話から描かれていた。その理由も判明した。「どうしても素直にちゃんと“おめでとう”って言えなくて、よかったという気持ちと嫉妬のような気持ちがごちゃまぜになってしまって…」と。
「自分の気持ちばかりで」と言う深夜に、鈴は「深夜先生、いっつも人の事ばっかじゃん。たまには自分のために怒ったり泣いたりしてもいいんだよ」と言った。
泣くことは心の修復に効果があるといわれ、“涙活(るいかつ)”という言葉もある。同ドラマでも、伴に攻撃された鈴、祖母が倒れたときの一星、そして伴も泣いて救われてきた。視聴者の間でも心配されていたが、最終回でようやくその時がきた。一星のいつもの“おせっかい”によって、妻が秘密で用意していたものを知った深夜は、声を上げて泣いた。亡くなってからも食事を妻の分までたくさん買い、家をそのままにしていた愛の深さがあふれ出てくるような慟哭が胸を打った。
その夜、星空を見上げる深夜を挟む形で、鈴と一星が両隣に立って手をつないだ。千明いわく「ああいう関係は恋とか愛とか単純な名前は付けられないな」という3人の姿は美しかった。
前に進むことができた深夜は、一人前になるために尊敬する鈴の元を離れる決意をした。転職した先の病院でも相変わらずコケていてドジは変わらないが、赤ちゃんを見る顔は慈しみにあふれた優しい笑顔だった。
思わずツッコんでしまうほどの派手なドジぶりを見せつつも、深夜が内包する悲しみ、切なさを丁寧に演じたディーン・フジオカ。SNSには「男の人の泣く演技でこんなにも純粋な心で見入って泣いてしまったのは初めてかもしれない」「号泣シーンにもらい泣き」「ディーンさんの演技が凄い」と称賛が集まった。
◆文=ザテレビジョンドラマ部
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