稀咲の追放が決まったことで、確実に“現代”が変わる。タケミチ自身も“あっけない”と感じてしまうほど、この集会での短い時間の中で大きな変化が生じたことになる。
タケミチは、マイキーからバイクをプレゼントされた。それはマイキーが乗っているバブの双子のようなバイク。マイキーの兄・真一郎がフィリピンの廃墟で見つけたエンジンが使われている。マイキーと二人乗りし、レクチャーを受けるタケミチ。ギアとブレーキを間違えたり、マイキーに叱られながらも、徐々に運転を覚えたタケミチ。「上手くなってきたじゃん!」と最後にはマイキーからお褒めの言葉も。
全てが順調。普通ならそう思えるのだが、タケミチの場合、事情が違う。全て順調に進んだことで12年後から来たタケミチが過去にいる理由がなくなった。それは唯一、タケミチが未来から来たことを知っている千冬も感じていた。タケミチは元の居場所へ帰らないといけない、ということを。タケミチは千冬に感謝の気持ちを大声で伝え、「オマエはオレの一生で一番のマブダチだ!!」と言って現代に帰ることを決断。千冬も「12年後にまた会おう!」と笑顔で答えてくれている。
そして、タケミチが現代に戻ると、刑務所の中ではなかったということで以前とは変わっていることを確信。しかし、タケミチが着ているのは喪服…。思いもしなかった“悲劇”がここにあった。タケミチが帰ってきた場所は三ツ谷の葬儀・告別式だった。壇上には三ツ谷の遺影が。
稀咲という大きな不安要素を排除したことで、より良い“現代”を思い描いていたタケミチにとって、この状況になった理由が何も思い当たらない。マイキーやドラケン、東卍はどうなっているのか? 否が応でも不吉な状況が頭をよぎる。
◆文=田中隆信
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