松本潤が主演を務める大河ドラマ「どうする家康」(毎週日曜夜8:00-8:45ほか、NHK総合ほか)の第16回「信玄を怒らせるな」が、4月30日に放送された。徳川家臣団の新戦力・井伊直政(虎松)を演じる板垣李光人からコメントが届いた。
――家康との出会いのシーンについてお聞かせください。
初めて台本を読んだ時、家康との出会い方に衝撃を受けました。特に印象に残っているのは、家康を殺そうとして捕らえられた後、遠江の民がどう感じているか、思いの丈を家康にぶつけるシーン。彼自身も家族を失い、激動の幼少期を過ごしましたが、自分のことだけでなく、乱世に生きる人たちの思いや苦しみを代弁しているようにも感じました。虎松は、親も失い、家がめちゃくちゃになり、殺伐としたものを見て育ってきた。家康と対峙した彼には相当な覚悟があり、自分自身も死ぬ覚悟すら持っていたと思います。
そんな中、家康は自分の命を狙った虎松をお咎めなしで逃がしました。生きるか死ぬかの世にこんな人がいるのかと、虎松も驚いたと思いますし、その上で「自分が変わるから見ていてくれ」と言われるなんて。逃がして貰ってから家康に仕えるまで時間は空きますが、その間も虎松は家康のことを考えていたでしょうし、心惹かれただろうと思います。辛い幼少期を過ごしたからこそ、この時代に必要なのはきっと家康のような人だと感じたでしょうし、あのシーンは演じていてぐっとくるものがありました。
――井伊直政の人物像をどのように捉えていますか?
徳川家臣団のメンバーはほとんどが三河出身ですが、直政は井伊谷出身で、しかも途中から加わっている。だからこそ、家康や他の家臣に対しても、言いたいことを言える部分はあるのかなと思います。言動だけ見ると一見生意気と思われるかもしれませんが、その裏には、由緒ある井伊家を背負っているプライドや、自分の家を立て直したいという強い使命感があるのだと解釈しています。今後、徳川に仕えていくことになりますが、なんとしても殿を天下人にさせたい、自分も出世したいという強い思いがあるからこそのアプローチだと思うので、その芯の強さは軸として持ち続けていきたいです。
そして、井伊直政は“赤鬼”とも呼ばれる人物ですが、血気盛んなところだけではない、冷静な面や頭の回転の速さ、先を見る力だったり。彼が家康を支えてきた理由をひもときながら、自分なりに個性をもって演じていけたらいいなと思っています。
演じていく上では、時に迷うこともありますが、迷ったら脚本に立ち戻ります。古沢さんの脚本を読んでいると、とても安心できるというか。一人ひとりのキャラクターや物語をぶれずに作り上げてくださるので、最後は絶対に脚本の中で繋がっていく感覚がありますし、見えてくるものがあるんです。心から信頼しつつ、あとは、現場での家臣団の皆さんがつくる空気感にも助けて頂いています。
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