高橋海人“若林”、先輩芸人に「“みんな死んじゃえ”って顔してるね」と、心の闇を見抜かれる<だが、情熱はある>

2023/05/01 13:29 配信

ドラマ レビュー

「たりないふたり」解散ライブ以来、約半年ぶりに会った山里(森本慎太郎・左)と若林(高橋海人・右)(C)日テレ

ユニットコンビ「たりないふたり」として数々の漫才を生み出した、オードリー若林正恭南海キャンディーズ山里亮太の半生を基にしたドラマ「だが、情熱はある」(毎週日曜夜10:30-11:25、日本テレビ系)。4月30日放送の第4話で、若林(高橋海人)の相方・春日(戸塚純貴)が住んでいた“むつみ荘”や、若林と春日がバイト兼前説係として働いたショーパブ“キサラ”が登場し、リトルトゥース(オードリーのファンの呼称)たちが沸いた。(以下、ネタバレを含みます)

春日、“むつみ荘”で1人暮らしスタート


このドラマは、若林と山里の半生を基にした、“ほぼ実話”の青春サバイバルストーリー。“極度に人見知りな超ひねくれ男”(若林)と、“妬み嫉みの固まり男”(山里)、そんなたりない2人の友情物語でもないしサクセスストーリーでもないが、もがきながらも“情熱はある”人生を描いていく。

若林より先に1人暮らしを始めることになった春日は、若林と共に新居となる“むつみ荘”にやって来た。他人事ながらも“1人暮らし”という初めての経験にテンションが上がった若林は、“お宅拝見”しながら上機嫌。ついには部屋に置いてあった空の段ボールを踏みつぶし、「やめなさいよ!」と春日を焦らせる。春日に羽交い絞めにされながらも若林は「タッチダウン!」と、段ボールに飛び込み、「何してんのよ! もぉ~。使ってんだからさぁ」と春日を不機嫌にさせた。

この場面での高橋と戸塚のやり取りは、実際の若林と春日を見ているようだった。唐突に破壊行為などの理解不能な無茶をする若林に振り回されて、ちょっと機嫌が悪くなる、実は常識人の春日…そんな2人の空気感が見事に再現されていた。セットではなく実際の“むつみ荘”が使われているのも、リアル感を高めるポイントだ。

新たに決まった仕事がショーパブの“前説”だと知って、息子をバカにする若林父…(C)日テレ


ショーパブでの前説の仕事をもらえたが…


春日の部屋でそのまま遊んでいこうとした若林だったが、春日のバイト先に連れて行かれる。そこはショーパブの“キサラ”。店員として働いていた春日が“ナイスミドル”というコンビを組んでいると知った店側が、ショーの前説をやらせてくれることになったのだ。

クレープ屋の店先での漫才の他に新たな仕事ができ、張り切る2人だったが、物まねパブで漫才を披露しても全くウケなかった。それどころか、物まね目当ての客に悪態をつかれ、おしぼりをぶつけられる事もあった。だが、物まねスキルの無い彼らは漫才しかできないのだ。何をすればウケるのかわからない。半ばやけくそで「アメフトの物まね」と言って、ただただ2人でぶつかり合うだけというネタを、客のドン引きおかまいなしでやるようになっていた。

そんなある日のネタ中、春日のタックルで吹っ飛んだ若林は、子供の頃に父親に言われた「負けて帰って来るな!」という言葉がよみがえり、「負けてねぇよ。うるせーな!」と段取りを無視して春日に体当たりした。若林は「負けねぇからな」と言って何度も春日に向かっていった。自分を認めない父親、相手にしてくれない世間、光が見えない将来、全てに負けたくなくて、フラストレーションをぶつけるようにタックルを繰り返した。ひとしきり春日とぶつかり合った後、ヘルメットを脱いで「ありがとうございました」と言った時の若林の表情は、どこかスッキリして見えた。

プロデューサーの島(薬師丸ひろ子)は、山里と若林の共通の“心の闇”に気づく(C)日テレ