役所広司が、5月13日に都内で行われた映画「銀河鉄道の父」公開記念御礼舞台あいさつに、菅田将暉、森七菜、成島出監督と共に登壇。20代から70代まで自身で演じたという、今作の撮影でこだわったポイントなどを語った。
同作は、世界中から愛される詩人で童話作家の宮沢賢治が「ダメ息子だった」という視点を軸に、大量の宮沢に関する資料の中から父・政次郎について書かれた資料を集め、究極の家族愛を描いた門井慶喜の小説「銀河鉄道の父」を映画化。主人公・政次郎を役所、賢治を菅田、賢治の妹・トシを森が演じ、5月5日に全国公開された。
リピーターも多い作品ということで「実はここにこだわっています」など、もし2度目に見るならここに注目してほしい、というポイントについて聞かれると、役所は「そうですね…僕、この作品で21歳から70何歳までやります。この21歳の時の僕というのは…必見ですねえ(笑)。ぜひお楽しみください。一生懸命メイクさんが若返る努力をしてくださって、頑張りました」と話し、菅田も「必見ですね~!」と同調。そして「あれ、森さんは今20…?」と確認すると、森は「21です(笑)」と返し、役所は「同級生です」とほほ笑んだ。
見た目だけでなく、21歳を演じる上で意識したことについては「あんまり(21歳だからどうとは)考えなかったですね。でも、(メイクなどの)支度中にだんだんシワが減っていく自分を楽しんでいましたけど」とちゃめっ気たっぷりに、振り返っていた。
また、今作は6月にカナダ・トロントで開催される「トロント日本映画祭」でコンペティション部門のオープニング上映に決定。成島監督が「特別監督賞」を受賞することも発表された。
それを受け、成島監督は「この賞はいろいろな実績でもらえる賞らしいです。役所さんと4本ご一緒させてもらって、その足し算もあってもらえた賞だと思います。本当はみんなで行きたいんですけど、なかなかそうもいかないんですが、気持ちだけはそんなふうに思っています。とてもうれしいです」と感謝を述べた。
そして、役所は「成島監督とは本当にお互いまだチンピラ時代からの知り合いで(笑)、本当にものすごくうれしいですね。監督がまだ助監督をやったりしている頃からの友人であり、仲間なので。今までも素晴らしい賞をたくさん受賞されていますけど、こうやってトロントのお客様にこの映画を見ていただくというのは本当にうれしいです。監督、またこれからもいろんな賞をゲットしてください!おめでとうございます」と祝福し、映画がトロントで上映されることや監督の受賞を喜んだ。
映画「銀河鉄道の父」は公開中。
◆取材・文・撮影=ブルータス・シーダ(STABLENT LLC)