生田斗真が、5月24日に都内で開催された映画「渇水」公開直前ティーチインイベントに登壇。共演の門脇麦、メガホンをとった高橋正弥監督、企画・プロデュースの白石和彌と共に撮影現場でのエピソードなどを披露した。
同映画は1990年文學界新人賞受賞、「第103回芥川賞」候補となり注目を浴びた河林満の小説を原作とし、「凶悪」「日本で一番悪い奴ら」などを手掛ける映画監督の白石が初めてプロデュースした作品。岩井俊二監督作品「ラストレター」や、宮藤官九郎監督の数々の作品で助監督を務めた高橋がメガホンをとった。主演の生田は、水道料金を滞納する家庭の水を停める業務(=停水執行)に就く市の水道局職員の岩切俊作役、門脇は夫に蒸発されてしまい生計を立てようとするがうまくいかない小出有希を演じる。
今回のイベントは、事前に観客から寄せられた質問の中で多かったものを代表してMCが聞き、会場の観客から直接登壇者に質問する時間もあるというティーチイン方式で開催。
その中で「今作に参加にした決め手」について聞かれ、生田は「この映画の脚本はかれこれ10年以上前にスタートしたんですけど、『日本映画界でとんでもなく面白い脚本がある』とうわさになっていたようです。その脚本が時を経て自分のもとに回ってきました。中身の素晴らしさもあるんですけれども、たくさんの人たちの映画に対する思いとか、作品に対する愛情みたいなものがふんだんに詰め込まれた、“ただならぬオーラ”を放っている脚本だったことをすごく思い返します。僕はもうこの作品に参加しないときっと後悔するだろうなと思って、即座に参加させてもらうことを決めました」と、オファーを受けてほぼ即決だったことを明かす。
また、門脇も「まず台本を読ませていただいて、何ていい本なんだろうと。今回プロデューサーとして参加されていますけど、白石さんとは何度か作品をご一緒していて、『門脇さんで』って言ってくださっていると聞いて、断る理由はありませんでした」と振り返った。
そんな本作で一番大変だったシーンについては「磯村(勇斗)くんと子役のお二方(山崎七海、柚穂)との4人でアイスを食べるシーンがありまして。長回しでシーンの最初から最後までいって、最後に磯村くんのアイスから『当たり』が出るというシーンなんですけど、なかなか一発じゃうまくいかないので、僕たちはアイスをガリガリガリガリ何本も食べて頭が痛くなりましたね(笑)。大変だった思い出があります。特に磯村くんは食べきらないといけないという使命があったので、なかなか暑い時期にはない震える磯村勇斗が見られました」とスクリーン越しには伝わりにくいが、実は苦労していたという場面を紹介。
一方、門脇は「撮影中雨が多くて、最後に生田さんと対峙して家を出て行くシーンが雨続きで…。全部メイクもしてお弁当を食べたりして撮影を待って、『雨なので今日は撮れません』というのが2、3回ありまして。正直最後、『撮れる!』ってなった日、すがすがしい気持ちでした(笑)。大切なシーンだったので、『今日も撮れなかったか~。撮って早くこの不安な気持ちを終わらせたい!』みたいなシーンだったので、撮れた日は本当にうれしかったです」と天候にも悩まされながら、撮影したシーンの心境を告白した。