俳優、声優、YouTuberとして幅広いフィールドで活躍中の染谷俊之の魅力に迫るWEBザテレビジョンの連載「月刊染谷WEBマガジン」。毎月、深掘りインタビューを敢行し、仕事の近況からプライベートまで、事務所NGギリギリの質問をぶつけて“染様(染谷俊之の愛称)”を丸裸にします。第17回は、第13回「染谷俊之が舞台「エーステ ACT2」を語る。メンバー内で流行っている遊びとは?」に続き、絶賛上演中の舞台「MANKAI STAGE『A3!』ACT2! ~SPRING 2023~」について聞きました。
※インタビューは舞台開幕前の2023年4月下旬に行いました
──現在(2023年4月下旬)、「エーステACT2」の春組公演に向けて、稽古の毎日だそうですが、手応えはどうですか?
「エーステ」の見どころの一つが劇中劇なんですが、(初出演となった)去年の春組公演は1本だけだったのに対し、今回は2本あるんです。これが思ったより大変ですね。他のメンバーは(劇中劇が2本というのは)過去に経験しているんですが、僕は初めてなので。もちろん、劇中劇以外にも、本編中のお芝居、さらに歌とダンスのシーンもあって、本当にやることがいっぱいです。
──劇中劇はどんな内容ですか?
1本目はファンタジー作品で千景(染谷)が準主役です。アクションの要素が強くて、殺陣のシーンがけっこうあります。2本目は学園もので音楽学校が舞台。千景は講師役を演じます。僕はやらないんですけど、他のメンバーは生徒役でバイオリンの稽古を頑張っていますね。以前、別の作品でバイオリンを弾く役をやったことがあるんですが、弾いているふうに見せるだけでも大変なんですよ。なのでみんな、めちゃくちゃ苦労していますね。
──ということは、1本目の劇中劇のほうが千景の見せ場は多そうですね。実際に稽古をしていて、どんなところが大変ですか?
やっぱり殺陣のシーンですね。刀や剣の扱いには慣れているんですが、今回は大きな斧みたいな武器なんです。これがとにかく重い(笑)。しかもこれまで斧はもちろん、槍などの大きな武器を操る役はやったことがなくて、最初はすごく戸惑いました。
──刀や剣と全然違いますか?
体の使い方や間合いがまったく違います。斧の場合、刃の部分のほか、柄でも攻撃するんです。刀や剣ではそういうことがないので、攻撃のバリエーションの多さに対応するのも大変です。あと大きいので、周りの人に当たらないようにしなければいけない。近くに人がいる場合は、腕を畳んで攻撃するんですが、ちょっとでも腕の角度が甘かったりすると、他の人にぶつかってケガをさせかねないので、そうした気遣いも難しいです。
──大変なぶん、逆にやりがいもありますか?
そうですね。武器が大きいぶん、上手く扱えたら、舞台上ですごく映えるので、やりがいはあります。どれだけクオリティを上げられるか、今まさに稽古で頑張っているところです。
──今回は稽古期間が1カ月間ということですが、やることが多すぎて時間が足りないですか?
与えられた時間の中でどこまでクオリティを高められるかが、役者に求められていることなので、期間はあまり関係ありません。演技は正解がないというか、ゴールがないと思っています。自分自身がどう感じるのか。ただし僕はけっこう理想が高くて、いつも「もっとできる」と思ってしまうタイプなので、稽古時間が長ければ長いほどうれしいですね。
──稽古時間は作品によって異なると思いますが、時間が限られていると感じているときでも、オン・オフはきっちり切り替えられるタイプですか?
いいえ、そういうとき僕はずっとオンのままですね。稽古が終わって家に帰っても、夜中の3時くらいまでずっと台本を読んでいることもざらです。稽古が始まる時間が遅めだったら、その前に1人カラオケ専門店に行って、発声練習やセリフ読みをしてから稽古場に向かうこともあります。
──限られた時間を目一杯使うタイプ。
そうですね。稽古中はインプットする時間が多くて、ましてや今回の「エーステ」は覚えることがめちゃくちゃく多いので、ひたすらインプットです。それが完了したら、あとはアウトプットするだけなので、ラクというわけではないですが、精神的にだいぶ余裕が出ます。
──稽古期間中、オンのままでずっといるのは辛くないですか?
そんなことないですよ。ずっとオンのままでも平気。その中でも、さらにギアを一段上げる“マジオン”があって、例えば通し稽古のときなどにギアを入れ直します。さらにその上もあって、本番が近づくにつれてどんどん上げていく感じです。
──本番前日までひたすらインプットし、その間ギアを上げ続けて、公演当日に一気に爆発させる感じですか?
そこがちょっと難しくて、「エーステ」の場合は公演期間が長いので、本番が始まってから気付くこともけっこうあるんです。なのでインプットの作業は開幕後も継続します。東京凱旋公演(6月2日<金>~11日<日>)が終わるまで、ずっとオンの状態で気が抜けない日々が続きます。
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