そんななか、もう一つ、注目の出来事があった。
座っている直哉に、「怒ってますよね?どれだけご迷惑をかけたか…本当に申し訳ありません」と頭を下げた紗枝。直哉は立ち上がって何かを言おうとしたが、そのまましゃがみ、ほどけていた紗枝の靴紐を結び直してあげた。
そしてその足をギュッと包み込むように手をしばらくあて、紗枝の顔を見上げて「よく頑張った」とつぶやいて、立ち上がって肩をポンとたたいてから去った。
なんという切ない瞬間だろう。第5話で直哉に生まれた恋心。佳代子が言っていたように、生きているなかに自然に生まれる感情だ。しかし、期待して裏切られることがしんどい直哉は、必死に抑え込もうとしていた。そんな思いと戦いながら、気持ちがあふれ出たシーンだった。未来に飛ばされてきたばかりの第1話でも直哉が同じように紗枝の靴紐を結んであげたことがあったが、その優しさとは明らかに違う。
さらに切なかったのは、優斗に「何であいつ(紗枝)が頑張れてるか、お前だよ。気付いてやれよ」と明かすシーン。直哉が自分の思いを抑え込むのは、紗枝が現代で優斗に恋していたことを知ってもいるからだ。
現代で、虹を一緒に見上げたことがある紗枝と優斗。しかし、紗枝が見上げていた虹を直哉もスマホで撮影していたことが第2話で描かれていた。“虹”がつなぐ三角関係はどこに向かうのか、これからが見逃がせない。
視聴者からは靴紐のシーンに対して、「靴紐を結んで足に手のひらを置くってなんかとてつもない好きの表れでは?」「靴紐結んでからの足を握りしめるシーン今世紀最大のキュンだった…」「泣けた」「やさしさが沁みた」といった声が寄せられた。
◆文=ザテレビジョンドラマ部
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