6月1日(木)より、フクシノブキと日向野祥がW主演を務めるGEKIIKE(げきいけ)本公演第12回「漆黒ノ戰花 ─再演─」(しっこくのいくさばな/東京・新宿村LIVEほか)が開幕する。演劇集団GEKIIKEが2018年に上演したアクションファンタジー劇で、追加公演を含めて18公演がすべて完売した人気作の待望の再演だ。WEBザテレビジョンでは、今回新キャストとしてVAN役を演じるフクシにインタビューを敢行。作品の見どころや意気込みなどを聞いた。
──現在、フクシさんは舞台を中心に活動されていますが、今回はW主演の1人という大役です。お話をいただいたとき、率直にどう思いましたか?
この作品は2018年に別のキャストの方々が演じていて、今回は再演になります。前回すごく評判が良かったと聞きましたが、それに対してプレッシャーややりにくさは特になく、素直にうれしかったです。
僕が演じるVAN役は、以前は校條(めんじょう)拳太朗さんが演じられたのですが、もちろんそのときの映像は見ました。ただしサラッとです。じっくり見てしまうと校條さんのイメージに引っ張られてしまうので。
演出家の樋口(夢祈/ゆき)さんも「前作と同じように演じなくていい」と言ってくださったので、僕なりのVAN像をイメージして、どう演じたら周りの演者さんたちもやりやすくなるかを考えました。
──フクシさんなりにイメージしたVANはどのようなキャラクターですか?
VANは大量破壊兵器のバイオロイドです。人間ではないんですが、感情は持っています。感情があるので学習ができるんです。そこが今回の物語の中で重要なポイントになってきます。
僕は当初、バイオロイドに引っ張られて、あまり感情を出さないほうがいいかと思ったんですが、感情を入れないとキャラが立たない。そこで樋口さんに「もっと感情を出してもいいですか?」と相談して、途中から変えました。感情を出しつつ、ネタバレになっちゃうので詳しくは言えませんが、VANが抱える“秘密”を見ている人に気付いてもらえるように工夫しました。その感情のさじ加減が一番難しかったです。
前作のVANに比べて、感情が少し幼いかもしれません。それでいてシーンによっては、ちょっとした大人っぽい面も出しています。
──演出家の樋口夢祈さんからは、具体的な指示はありましたか?
役作りにおいては特に指示はなかったんですが、稽古中、毎日いろいろなお話をしていただいて、「自分自身で考えて演技をしなければいけない」と痛感させられました。
立ち位置や間合いの詰め方、それこそ足の開き具合やちょっとした顔の角度まで、僕の意識が欠けているところを見抜いて指摘してくれて、本当にたくさんのことを学ばせてもらいました。
今回経験したことは、今後の役者人生にも役立つことばかりだったと思います。
──VANは大量破壊兵器のバイオロイドということでアクションシーンも見どころに?
バイオロイドは僕を含めて3体いるんですが、それぞれ戦い方が違います。他の2体は武器を持っているんですが、VANは武術。素手で殴ったり、蹴ったりして戦います。
刀や長い棒などを使った殺陣(たて)は以前やったことがあるんですが、素手のアクションシーンは今回が初めて。(他のバイオロイドの)ZANY役の久野木貴士くんが殺陣師でもあるので、演技指導をしてもらいました。
僕自身は格闘技の経験はないんですけど、子供のころテコンドーに憧れていて、部屋の電灯の紐を的に蹴りの練習をしていました(笑)。回し蹴りやカカト落としをするんですけど、たまに失敗してベッドの角に足をぶつけて、痣を作ったりして。なので今でも足は結構高く上がるんですよ。今回、貴士くんにお願いして、足技を多めにしてもらいました。
──子どものころから鍛えた(?)蹴り技に注目ですね。
これまで僕が見せたことがないアクションなので、楽しんでもらえると思います。といってもバイオロイドなので、めちゃくちゃ強いです。例えばパンチをしたら、相手の体を突き抜けてしまうほど(笑)。そんな圧倒的な強さを見せつけます。
あとはやっぱりVANと(もう1人の主役である)御影(日向野祥)の関係性が見どころです。御影はバイオロイドを開発した科学者の1人。で、VANとはいわば親子の関係。愛情を持っているからこそ、葛藤もあります。そんな彼らがどんな結末を辿るのか、目が離せません。
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