山田裕貴“直哉”が繰り返してきた「期待しない」という思いを上白石萌歌“紗枝”が包み込む<ペンディングトレイン>

2023/06/03 17:19 配信

ドラマ レビュー

「ペンディングトレイン-8時23分、明日 君と」第7話より

雨の中、直哉を紗枝が抱きしめる


乗客たちが戻る、戻らない、戻れないで揺れ、また元の世界で抱えていたものにも悩むなか、これまで「何にも期待しない」と繰り返してきた直哉の思いがあふれ出た。

雨が降ってきた中、妊娠を和真に告白して行方をくらました小春を探していた紗枝が足をくじいた。自身が薄着になっても上着をかけてくれたことに「心配しないでください」と紗枝が言うと、「別に一ミリも心配してねぇよ。あとから文句言われないための保険です」と素直じゃない直哉。

そんな自分の気持ちを隠していることを指摘され、「何でかって?怖いからだよ。みんなどうせいなくなる。大事な人は戻ってこない。期待しても裏切られる。だったら最初から一人でいい。期待なんかしなきゃいい。誰にも何も期待しない。それが逃げてる?それが俺なんだよ」と打ち明けた。

脳裏にあるのは、自分と幼い弟を捨てて出て行った母親。そして、一生懸命大切に育てたのにグレてしまった弟だ。

本当の気持ちにふたをすることで自分を保ってきたのだろう。直哉の悲しみが、降りしきる雨と重なって一段と胸を打った。

だが、分かってくれる人はいる。これまでも直哉の優しさに誰よりも早く気づいていた紗枝が、そんな直哉を後ろからギュッと抱きしめた。

直哉と紗枝の姿を通し、何かが変わる、変わってほしい、そんなことを願う展開に。視聴者からは「もう傷付きたくない直哉を何も言わずに守ってあげる紗枝ちゃんのハグは尊かった」「畑野ちゃんのバックハグきゅんとしてしまった」「かたくなな心が少し開いた瞬間のような気がしました」といった声が寄せられた。

ラストではワームホールらしきものが出現。いよいよ大きな変化の時を迎えるようだ。

◆文=ザテレビジョンドラマ部

第6話で話題になった直哉(山田裕貴)と紗枝(上白石萌歌)の靴紐シーン「ペンディングトレイン-8時23分、明日 君と」第6話より  (C)TBS