職場では、“理想の夫婦”として憧れられる美咲だが、口からは無意識に「離婚」の二文字がこぼれてしまう。いつもと違う様子の美咲にほかの社員も心配になって声をかけるが、職場の帰り道でも悠生のことを考えてしまう美咲。
そんな中、男性にわざとぶつかられて転ぶ美咲を助けたのは、かつての教え子・周平(本田響矢)だった。
過去に、医学部の進学をやめて美大への進学を悩んでいた周平に対し「本当にやりたいと思ったこと、やめないで」と背中を押す言葉をかけ、それに救われていた周平。3年ぶりに再会した周平は、絵師となり金髪をなびかせる好青年へと成長していた。
久しぶりの再会に会話も弾む2人だが、周平が突然「先生は覚えてる？あそこで…」と切り出すと、美咲は何かを思い出して気まずそうに目線を下に向ける。実は、教え子である周平から「ずっと先生のことが好きだったんだ」と告白され、キスをされた過去があった。
その過去をなかったことにしようとしていた美咲だが、一方で周平は自分の気持ちを殺さずにあの時の恋心を大事にしていたという。
そんな教え子の思いを優しく断ろうとする美咲に、「いいよ、そういう建前」「そんなことより先生の家行ってもいい？」と突然、大胆な提案をする周平。
これに対し、美咲は、夫がいない間に男である周平を家にあげることができないことを伝えると、周平は「周りの状況で決めるんだ」と責めるように返す。
その後、なぜか美咲の夫を知ったような口ぶりで話す周平に、違和感を覚える美咲。続けて「2人とも純粋で鈍感で優しくて、気を使って自分を抑えて苦しくなって、僕の性癖にぶっささってくるんだよね」と明らかに美咲と悠生のことを話す周平。
そんな周平に美咲が言葉の真意を聞こうとすると、突然、周平が誰かに目線を向けて「おかえり、ユウキ」と声をかける。
「ユウキ」、周平が呼びかけた名前に不安を抱きつつ振り返ると、そこには夫の姿が。夫の不倫相手が、自分の教え子だったことを理解した美咲は「まって…何いってるか意味が分からないっ」と動揺を隠せない。
それを無視して話を続けようとする周平に、美咲は「聞きたくない！」とその場から走り去ってしまう。走り出す美咲を悠生が慌てて追いかけるが、美咲は悠生を振り払い、拒否する。
家に着いた美咲は、「なんで周平君なの？」と責めるように泣きながら問いかける。悠生は、ここで初めて周平が美咲の教え子という事実を知り、衝撃が隠せない。
そんな中、取り乱したあまりに過呼吸を起こした美咲を優しく介抱する悠生。結婚指輪がはめてある夫の左手を、ぎゅっと離さないように握りしめる美咲だった。
美咲の発作が収まり、落ち着いて寝た後に周平の元を訪れた悠生。「美咲ちゃんの教え子だったの？」その問いに対し周平の口から出たのは「美咲先生は僕の先生で、今も好きな人」と衝撃的な告白。
美咲のことも悠生のことも好きだという周平に、困惑の表情を隠せない悠生だが、そんな悠生に“自分に正直でいた結果”だと告げて何度もキスをする周平。
一方、目が覚めた美咲の隣には夫の姿はなく、美咲は2人が写る写真をそっとゴミ箱へ捨てる。意を決して、キャリーケースに荷物を詰めて家を出ていく美咲だった。
◆文=ザテレビジョンドラマ部
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