山田裕貴、赤楚衛二と芝居を超えて本物の“バディ”に「非常に深いところでつながった感覚があった」<ペンディングトレイン>

2023/06/16 15:00 配信

ドラマ インタビュー

関わった全ての人に「感謝の気持ちを伝えたい」


――キャストの皆さんにこれまでの撮影で印象的だったシーンを聞くと、全員が口をそろえて山田さんのお芝居について語っていたのですが、山田さん自身が印象に残る他のキャストの演技を教えてください。

優斗はせりふのない時の表情がすてきだなと思います。もちろん、せりふがある時もそうなのですが、彼自身本当は“直哉”なので。赤楚くんと話し合って、結果「僕も、あかそん(赤楚)も、直哉と優斗、両方の面を持ち合わせている」と分かり合えた結果、心の奥底でつながった感覚があって。だからこそ、優斗の影の部分を感じる時の表情は、とてもすてきだなって思いますね。

萌歌嬢(上白石)でいうと、やっぱり第6話で閉じ込められた時に見せた叫びは、本物だったなと。あと、第7話で抱きしめられた後、台本には“(直哉は)紗枝の腕をつかむ”と書いてあったのですが、プロデューサーさんと腕をつかむかつかまないかの大論争に発展しまして。僕としてはつかまない方が良いんじゃないかなと思い、“つかまない”という選択をしました。

――加藤(井之脇)や玲奈(古川)、他のキャラクターたちも名シーンがたくさんありますね。

加藤は、第8話で玲奈に「(ここに残るんだったら)生きて生きて、生き抜いてほしい」というところが結構好きで。玲奈もずっとツンケンしているけれど、紗枝に水を渡しに行こうとしていけなかったシーンとか。

それに、松雪さんや(杉本)哲太さんも魅力的で。哲太さんの芝居を見ているとすごく自由で“僕がやりたいような感じだな”と思いますし、それがドラマの世界観とキャラクターのテイストを壊さない範疇で「自由にを泳ぎ切る」という…ベテランの妙を感じます。

松雪さんにせりふを語らせたら、説得力半端ないんですよね。舞台でご一緒したこともあるので分かるのですが、今回もこうやって共演することができてうれしいです。

――藤原さんはインタビュー時に山田さんへの愛を熱く語ってくれました。

藤原くんはまだ演技を始めたばかりらしいのですが、第6話の泣きながら争いをとめるシーンを見て「よくあんなに涙出るな、俺だったら絶対無理だわ!」って言いました。

撮影の合間にいろんな話を聞いたのですが、今のポジションになるまでもいろいろ乗り越えてきたからこそ、人の気持ちが分かる人なんだなと。一番連絡をくれているのは、実はあかそんか藤原くんです。

それに、小春と和真は自分が表現できない部分や、芝居の感覚を、自分なりにものすごく悩みながらも考えながら向き合ってくれています。

おじいちゃんおばあちゃんグループも僕すごく好きなんです。 あと、小森(村田秀亮)さんね(笑)。レギュラー乗客の方も含め、みんな愛すべきキャラクターですし、全ての人に感謝の気持ちを伝えたいです。

「“本当の自分の幸せ”を確かめようって思わせてくれた」


――最後に「ペンディングトレイン」に携わって幸せだなと思うことを教えてください。

やっぱり、温かい人たちに触れられたことですかね。キャスト含めてスタッフさんも、本当に長時間撮影してるのに、次の日に「大丈夫だった?」「撮休の日、大河だったんでしょ」って声を掛けてくれて、すごく心配してくれて。

正直、主演がこんなに心配させちゃだめだよなとも思ったりもするんです。みんなの温かさに触れて、“この人本当に楽しいな”って思える人じゃなきゃだめだなって。

あと、樹海や崖、山で撮影していると、“ビルに囲まれながら撮影してるの気持ち悪いな”っていう感覚になるんですよ、今まではこれが普通だったはずなのに。

僕らは“ペンディング”されていないし、撮影で疑似体験をしただけなのに、不思議になるっていう。慣れってやっぱり怖くて、人間は今の世の中に慣れてしまっているんだなと思います。それは、この作品に携わったからこそ感じられることだし、いろんなものが“ある”ってだけで幸せなんだろうなと。

“本当の自分の幸せ”を確かめようって思わせてくれたことに、感謝と幸せを感じます。