本当に怖いのは霊か、人間か…「シグナル」脚本家が放つ韓国オカルト・ミステリーに戦慄<悪鬼>

2023/06/27 11:10 配信

ドラマ レビュー

「悪鬼」でキム・テリが演じる主人公・サニョン(C)2023 Disney and its related entities

人気ジャンルとなっている韓国発オカルトの新作ドラマ「悪鬼」が、6月23日に日韓でそれぞれベールを脱いだ。悪鬼に取り憑かれた女性ク・サニョン(キム・テリ)と、悪鬼を見ることができる大学教授ヨム・ヘサン(オ・ジョンセ)が、疑問の死を暴いていく。取り憑いた人間の欲望を聞き入れて他人を死に追い込み、自らも大きくなっていく悪鬼。怖いのは悪鬼=霊か、それとも人間なのか…。究極の問いを突き付けるスリラー、第2話まで配信された第1週から早くも戦慄の世界観のとりこになっている。(以下、ネタバレがあります)

不運重なるサニョン、その原因は…


貧しい家庭に生まれたサニョンは、母親思いで前向きな性格。日々アルバイトや公務員試験の勉強にと苦労を重ねるが、なぜか不運続き。さらに、長い間会っていなかった父親が不可解な死を遂げたことで、その人生はより最悪なものとなっていく。

一方、幼い頃から鬼や神を見ることができたヘサンは民俗学の教授となり、母を殺した悪鬼を探していた。そんな2人が出会い、ヘサンは自分が探していた悪鬼がサニョンに取り憑いていることを知り、サニョンもまた、自分に取り憑いている存在の真相を知り始める。やがて2人は、互いを苦しめる呪いを解くため協力していく。

今作は韓国ケーブルドラマ史上歴代3位の視聴率をたたき出し日本でもリメイクされた「シグナル」シリーズのキム・ウニが脚本を担当。「VIP」のイ・ジョンリムと「花たちの戦い -宮廷残酷史-」のキム・ジェホンが監督を務める本格オカルト・ミステリーだ。

「悪鬼」より(C)2023 Disney and its related entities

キーワードは“扉” 人間と悪鬼を隔てるもの


「扉を、開けたな…」。第1話、悪鬼に取り憑かれた男性の恐ろしいつぶやきから幕を開ける。ヘサンは言う、「扉に注意を。扉の内と外は違う世界です。それをつなぐのが、扉なんです」。どうやら“扉”が人間と悪鬼とを隔てるキーワードのようだ。

得体の知れない存在の気配がそこかしこに漂う中、貧しくても前向きに生きるサニョンの毎日はカラッとしていて、オカルト作品であることを忘れさせてくれる。今思えば、そこにはサニョンを守ってくれる“扉”があったのだ。

「悪鬼」日本語版ポスタービジュアル(C)2023 Disney and its related entities