凶悪すぎる好奇心の光… 井上瑞稀“ネズ”を追い詰める犬飼貴丈“みきお”<なれの果ての僕ら>

2023/06/28 12:00 配信

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衝撃の第一被害者…みきおの実験がスタート


衝撃の宣言を聞いたタカポンが教室を飛び出すと、他のクラスメイトも我先に校外へ脱出しようと逃げ出す。みきおが「勝手に動くと危ないよ」と言ったのを聞いたネズが「みんな待って」と声をかけるが、パニック状態のクラスメイトには届かない。

やがてタカポンが階段にたどり着いたとき、突如としてブザーとともに謎の煙が階段の踊り場へ立ち込めた。全身に煙を浴びたタカポンは、服も肌も真っ赤に染めてのたうち回ってしまう。ネズは友達を救うべく、危険を顧みず手を伸ばした。しかし引き上げようとした寸前、横から伸びたみきおの足によって再びタカポンの体は踊り場に突き落とされてしまう。

そのまま微動だにしなくなったタカポンを見て激高するクラスメイトたちだが、みきおの手には銃が握られていた。そしてスマホの電波は妨害されており、下に続く階段、窓にも仕掛けが施してあることを告げるみきお。先ほどの罠は濃硫酸であり、「逃げようとすると、タカポンみたいになるから」とクラスメイトたちに“陸の孤島”が完成していることを告げた。

仕方なく教室に戻された面々。教卓に立ったみきおは、「ワンフォーオール、オールフォーワン」という旧6年2組のスローガンを口に出す。「驚くべきは、君たちがその言葉を実践していたことだ。君たちの一見純粋そうに見える思いやりの心、つまり“善性”はあの頃の僕のアイデンティティに影響を与えている…。だからその本質を知りたくなった」と自身の考えを全員に言い聞かせると、「これは実験だ」と銘打った。

実験のルールを「これから3日間、僕は君たちを拘束する」「実験が終われば開放するし、僕は自主をする」と説明したみきおが「最初の実験」と称して取り出したのは、怪しげなカプセル。それを目の前にいたネズに差し出し、「これ飲んでみて」「飲まないと撃つよ。キミ以外の誰かを」と告げる。軽い調子だが、明確な脅迫だ。

10分後には毒が…“死の請負リレー”


ネズは怯えるクラスメイトたちに危害が加えられないよう、急いで薬を飲み込む。中身は秘密のままということだったが、ネズがカプセルを飲んだことを認めたみきおは「いま、ネズは毒入りカプセルを飲んだ」と説明した。

さらに、10分後にはカプセルが溶けてネズは死ぬこと、解毒剤は「次に指名する人間が同じカプセルを飲む」という条件でネズに与えると宣言。そしてさらに別の人間を指名して、もう1人がカプセルを飲めば実験終了で3人全員に解毒剤を渡すという。

「みんなの信頼度を問う実験なんだ。簡単だろ」とルールの説明を終えたみきおは、「そんな、簡単なわけ…」と思わず漏らした及川龍雄(草野大成)を指名。カプセルを渡し、ネズが死ぬリミットである10分が経過する前に飲み込むように指示した。

だが及川はどうしても死の恐怖に抗えず、ネズの足にすがって「ごめんなさい!」と繰り返すばかり。クラスメイトによる必死の説得にも応じず、無情にも10分が経過してしまう。

恐怖に青ざめるネズだったが、10分が経過しても死が訪れる様子はない。「大丈夫だよ。さっきのカプセルに毒は入ってない」「いまのはチュートリアル」とタネを明かすみきお。しかし本番はこれから。本番ではいまの倍以上、7人によるリレーをおこなうと宣言する。硬い表情の全員を見渡して「見せてよ。君たちの“善”を」と告げるみきおの目には、冷たい好奇心の光が宿っていた。

◆文=ザテレビジョンドラマ部