――一人の女性として瀬名から影響を受けたことはありますか?
瀬名を見て本当の強さって穏やかでいることなのかなと思いました。強くなろうと思ってなることも大事だけど、どんなことがあっても穏やかでいようとする心は本当に強いなと感じました。私はまだそこまで心が鍛えられていないなと、瀬名を見ていつもすごいなと思って演じていました。
――築山殿事件を描くシーンについて、どのような心情で迎えられましたか?
いよいよ来たという感じでした。前からドキドキはしていましたけれど、あっという間にその日が来てしまったので私も心して挑まないといけないという緊張が走りました。古沢さんが描いてくださった瀬名のキャラクターや、瀬名が持つ愛情が集大成として表れたシーンだと思います。
第25回の台本を読んだときに涙が出てきたとおっしゃっていましたが、特に印象に残った部分を教えてください。
瀬名が信康と一緒に覚悟を決めて企てていくという第23回の終わりから第24回、第25回までの流れが気持ち的にも積み上げられていきました。瀬名の殿に対する精いっぱいの思いや、殿と過ごした日々など、瀬名の本当の気持ちに思いを馳せながら読んだ時にグッとくるものがありました。
――第25回の終盤で「うさぎは強うございます」「オオカミよりもずっとずっと強うございます」というせりふがありますが、どのように解釈し、どのような思いで告げましたか?
うさぎの木彫りは、殿が「弱い心を置いていく」と言って瀬名に預けたもので、次に殿が受け取る時は、殿の心が成長して強くなった時という認識でいました。弱かった殿が誰かのためにひたむきに戦う姿を見て、瀬名は殿の背中が大きく、たくましくなっていくのを感じていたと思います。
第17回の殿と瀬名が別れるシーンで、監督が「家康の手を握って指に口づけをしてほしい」とおっしゃっていたのですが、私的には、殿が覚悟を決めて戦いにいく姿が見られて、もうそのおまじないはしなくていいのではないかと思い、そのシーンはただ殿が背中で語り、瀬名がそれを受け止めるだけのシーンになりました。二人の中でお互いに信じていたものがあって、今の殿だったら「絶対に大丈夫!」という気持ちになれたから、瀬名は自害することを決意できたのだと思います。
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