羽生結弦、人々の心に寄り添い力強く華麗に舞い踊る…“氷上の表現者”からの贈り物

2023/07/08 07:10 配信

芸能一般

『Yuzuru Hanyu ICE STORY 2023 “GIFT” at Tokyo Dome』特別版はディズニープラスで配信中(C)GIFT製作委員会 (C) 2023 Disney and its related entities

元フィギュアスケート世界王者の羽生結弦によるスケーター史上初の単独東京ドーム公演「Yuzuru Hanyu ICE STORY 2023 “GIFT” at Tokyo Dome」が、2月26日に開催。羽生の半生とこれからを氷上で表現する物語で、制作総指揮を羽生自らが務め、演出はPerfumeやELEVENPLAYといったテクノロジーと身体表現を融合させた最先端のライブ演出で知られるMIKIKOが担当。音楽監督は多くのヒット曲を手掛けてきた音楽プロデューサーの武部聡志、演奏は東京フィルハーモニー交響楽団とこの日のためのスペシャルバンド。まさに前代未聞、新しく、唯一無二の壮大なショーが展開された。羽生ファンはもちろん、多くの観客を感動させ、先日スタートした特別版の配信でも多くの視聴者を魅了する本公演を改めて振り返る。(以下、ネタバレを含みます)

この物語とプログラムはあなたの味方です


「そこに幸せはありますか? 誰かと繋がっていますか? 心は壊れていませんか? 大丈夫、大丈夫、この物語とプログラムはあなたの味方です。これはあなたへ。あなたの味方の贈り物」と、見る者一人一人に優しく語り掛けるように羽生の言葉が会場に流れた。

東京ドームのバックスクリーンの所に巨大なLEDスクリーンが設置されており、それと繋がる形でグラウンド内にアイスリンクが広がっている。羽生のスケーターとしての歴史・軌跡を世界地図と共に紹介し、プロジェクションマッピングを使った演出による「火の鳥」で、力強く、華麗にショーはスタート。登場した瞬間から羽生の存在は神々しさを感じさせる。赤を基調としたコスチュームは情熱をより強く表していた。

「ホープ&レガシー」ではブルーを基調とした衣装に着替え、秘めたる情熱、クールさなどを表現。「あの夏へ」では白の衣装で、風を感じさせるダンスを氷上で描いていく。曲の終盤、リンクの周りに登場したダンサーたちもその世界観を巧みに表現し、ショーを盛り上げる。

第1部の終盤は、“6分間練習”が行われた後、「序奏とロンド・カプリチオーソ」へ。北京オリンピック2022を再現するかのような本番さながらのパートとなり、その瞬間、ショーではなく“競技”の空気へと変わった。

Ado「阿修羅ちゃん」に合わせて激しいダンス!


プリンスの「Let’s Go Crazy」が会場に流れ、リンクを囲む形でスペシャルバンドのメンバーがそれに合わせて演奏を始める。曲が終わるタイミングで羽生が登場し、第2部がスタートした。「Let Me Entertain You」で華々しいパフォーマンスを披露。拳を突き上げて観客を煽るなど、第1部では演技を見せる内容だったが、第2部は観客も拍手や歓声で一緒に参加する内容に。Adoの「阿修羅ちゃん」に合わせて激しいダンスで魅せたり、いろんな表情を見せたり、羽生自身も楽しんでいるのが伝わってくる。

ポップでカジュアルな演出があった後、「オペラ座の怪人」でまたまた会場の雰囲気が一転。炎の演出による荘厳なムードの中でのダンスに観客が見入っている。「いつか終わる夢」では切なさや悲しさが感じられ、“怖い”“独り”といった言葉がプロジェクションマッピングによってリンク上に投影されていた。

最後は“光”を感じさせる「notte stellata」。「元気に毎日過ごしてますか? 悲しくないですか? 疲れて心が干からびた時、帰ってきてください。とっておきの物語がずっとここにいます。これからの物語のために」というオープニングのメッセージと呼応するメッセージが心に響く。エンドロールが流れ、本編の物語が終了した。

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