羽生結弦、人々の心に寄り添い力強く華麗に舞い踊る…“氷上の表現者”からの贈り物
「台本になかったじゃないですか(笑)」
会場が明るくなり、羽生がリンクに再登場。「皆さん、『GIFT』はいかがでしたか？本当に一生懸命頑張らせていただきました。そしてアンコールとして、もうちょっとだけ演技をさせていただきます」と伝えると会場から大きな拍手が起こる。
羽生が一緒にステージを作った共演者を紹介。その流れで音楽監督の武部が「そしてそして、今日まで本当に練習を積み重ねて、深夜まで毎日練習を積み重ねて、今日ここまで滑り切りました羽生結弦！」と羽生を紹介すると、羽生は「ありがとうございます」と頭を下げ、「台本になかったじゃないですか」と照れ笑い。そして、全てのスタッフにも感謝し、「本当にありがとうございます！」と天を仰いだ。
羽生がアンコールの準備をする間、武部がこの日のために作った曲「GIFT」をGIFTスペシャルバンドで演奏。その流れで「春よ、来い」「SEIMEI」をパフォーマンス。最後はback numberの「水平線」が流れる中、観客席に向けて手を振ったりして、感謝の思いを伝えた。
「皆さんがいて、GIFTが作られています。本当にありがとうございました！ ここまでくるまでめちゃくちゃつらかったです。皆さんの期待に応えられるか、本当に分からなくてつらい時もありました。誰の心に残ることも目に焼き付けられない時も…でもスケートが好きで良かったです。今日は本当にありがとうございました！」
初めての挑戦に不安もありながらもやり切った。その思いが、この言葉に込められている。最後はマイクを外し、地声で「ありがとうございました！」と渾身の叫びで締めくくった。
公演の裏側やインタビュー映像も
6月30日からディズニープラスで配信中の「Yuzuru Hanyu ICE STORY 2023 “GIFT” at Tokyo Dome」は“特別版”として、公演の裏側やインタビュー映像を加えた内容になっている。
終演後、楽屋で共演者、スタッフに囲まれる中、武部から花束が送られた。受け取った羽生は「ドームでスケートをやるということ自体が初でしたし、そもそも今シーズン、1個前に初めて一人で全部滑り切るという挑戦をした時、『本当にできるのか？』っていう状態からこの『GIFT』という公演を作っていただいて、その間の演出をどうするかとか、いろいろ大変だったと思うんですけど、ここまで形にしていただいて本当にありがとうございました」とあらためて感謝。
そして、公演の内容についてもおよそ30分にわたって羽生自身が振り返っていて、あの曲、あの場面の時、どんな思いだったのかがしっかりと伝わってくる。「GIFT」本編を見た後にインタビュー映像を見ると、この公演で表現したかったこと、挑戦したことがより見えてくる。“氷上の表現者＝羽生結弦”の魅力を改めて感じてもらいたい。
◆文＝田中隆信
https://www.disneyplus.com/ja-jp/movies/yuzuru-hanyu-ice-story-2023-gift-at-tokyo-dome/
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