元BiSHのアイナ・ジ・エンドが7月11日、都内で行われた映画「キリエのうた」(10月13日[金]公開)完成報告イベントに、共演の松村北斗(SixTONES)、黒木華、広瀬すず、粗品(霜降り明星)、大塚愛、江口洋介、吉瀬美智子、奥菜恵、浅田美代子、北村有起哉、メガホンをとった岩井俊二監督とともに登壇した。
「監督:岩井俊二×音楽:小林武史」による新たな映画「キリエのうた」は、壮絶な運命と無二の歌声を宿したキリエの音楽がつなぐ13年に及ぶ壮大な愛の物語。降りかかる苦難に翻弄(ほんろう)され、切なくもドラマティックに交錯していく男女4人の人生を描く。
歌うことでしか“声”が出せない路上ミュージシャン・キリエ(路花)を演じるアイナは、鑑賞後の関係者らの前に登壇すると「この日を迎えられてすごくすごくうれしいです。私は初めての経験で右も左も分からない中、岩井俊二さんを筆頭に皆さんに助けてもらって、やっとやり切ることができたなって思っています」と充実した表情を浮かべる。
「悲しいこともうれしいことも、生きているから味わえるんだろうなって、命を燃やしていけるような歌を精いっぱい真心を込めて作れたので、届いていたらうれしいです」とあいさつした。
BiSH解散後初公の場が、自身初となる主演映画の舞台あいさつという点については「そうそうたる皆さんを目の前にして、さっき階段の隅っこで呼吸を整えないと出てこられないくらい緊張していました」と吐露。
岩井監督に主演として抜てきされた心境を尋ねられると「新生クソアイドルとしてBiSHというものを始めて、楽器を持たないパンクバントとして、本当に音楽が大好きでロックンロール一辺倒みたいな人だったんですけど、そんな私を岩井さんが見つけてくださって、拾ってくださって、夢みたいだなと。でも、これを夢で終わらせちゃいけないんだなって思いました」と熱く語る。
「広瀬すずちゃんと松村北斗さんがいつも近くにいてくださって、お芝居をリードしてもらって、なんとかやり遂げられたなと思っています。本当にすてきな経験をさせていただきました」と目を輝かせた。
また、イベントでは今回解禁された本作の主題歌「キリエのうた」をアイナがサプライズ歌唱する一幕も。
それを聞いた松村は「劇中で生歌を聞く機会があまりなかったんですけど、ワンシーン、衝撃的に隣で聞いたときがあって、そのときのことを思い出しました。この歌声によってこの作品は図太いシーンができているなというのを改めて思い出しました」としみじみ。
広瀬は「アイナちゃんはお芝居も含めて周りの環境だったり、景色とか温度とか全部吸収して表現される方で、また現場のときとは違う声と魂を見られてすごくうれしかったです」と声を弾ませた。
◆取材・文=風間直人