岡本玲と長妻怜央(7ORDER)がW主演するドラマ「その結婚、正気ですか?」(毎週月曜夜10:00-10:30、TOKYO MX、TVer・Hulu・エムキャスでも配信)が8月7日(月)からスタート。連続ドラマ初主演となる2人を直撃すると、インタビュー中も長妻が常に岡本を笑わせ、笑顔あふれる現場だったと語る。恋愛観や結婚観、撮影現場のエピソードやエンディング主題歌を作詞・作曲した長妻の思いまで、2人に聞いた。
本作は、電子書籍配信サイト「コミックシーモア」で累計500万DLを突破した、アキラ氏のコミックスが原作。ズボラなアラサー女子と年下イケメン社長が繰り広げる格差婚ラブコメディーで、岡本が30代半ばとなったが恋愛モードにすら入れない篠原奏音(しのはら・かなね)を、長妻がそんな奏音に突然プロポーズする年下イケメン社長・城咲真(しろさき・まこと)を演じる。
――本作で連続ドラマ初主演のお二人ですが、オファーされた時のお気持ちをお聞かせください。
岡本:ずっと前から「コメディーをやってみたい」という思いがあったんですが、今回実年齢が30歳を過ぎたタイミングで、ラブコメでヒロインをできるなんて夢のようなお話だと思いました。演じる奏音と年齢も近かったので、あまり作り過ぎずに等身大のズボラな部分も見せながらも胸キュンしてもらえる、ラブコメのヒロインらしく演じられたらいいなと思いました。
長妻:僕はドラマ出演自体が人生で3回目と経験が少ない中で初めての主演だったので、岡本さんにお任せしました。だから僕は主演っていう感じではなく、もう岡本さん演じる奏音を“困らせる”ということをメインにやらさせていただきましたね。どういう現場なんだろうっていう不安はありましたけど、岡本さんが引っ張ってくれて…もうありがとうございました(長妻が隣に座る岡本に頭を下げると、岡本がこらえられずに思わず声をあげて笑う)。
――ご自身が演じる役どころで好きなところや共感できるところ、苦戦したところなどを教えてください。
長妻:僕は見た目通り“イケメン社長”をやらせていただいたのですが(笑)…好きなところは、“お金がいっぱいあるところ”ですね。こんなにお金がいっぱいあったら、心の余裕を感じられるだろうなぁ〜と思いました。
大変だったのは、歩き方とかです。僕、普段から横断歩道を白しか踏まないような歩き方をしているので、そういう面がちょっと出てしまったり。あと、カメラの画角が決まっているのに僕が消えちゃう…的な、僕の俊敏性がマイナスに働いてしまうときもあったりしました(苦笑)。でも…普段、僕、時計をしないんですけど、時計の見方とか、大人っぽい社長っぽい仕草は身についたと思いますね。
岡本:(長妻が得意げに袖をすっと上げ、時計を見る仕草を何回も繰り返すのを見て笑顔になり)撮影中も、ずっとこんな感じで…(笑)。えっと…奏音の好きなところですよね。奏音は、今までの恋愛経験でトラウマを抱えてても、仕事を大事にやってきた自信があって、強い女性だなって思ったので、そういうところはいいなって思いました。
そんな強い人が、年下イケメン社長に翻弄されていくので、どこまで素直にニヤけていいものか、喜んでいいものか、少し突っぱねたほうがいいのかという部分はとても悩みましたけど、監督と細かく相談しながら演じました。あと長妻さんの言動に笑わないようにするのも大変でした(苦笑)。
長妻:僕は笑わせることしか考えてなかったです、特に撮影後半あたりは! 岡本さん、笑い上戸なのですぐ笑ってくれて、だからもう気持ち良くって。
岡本:えっ、私が助長させてた?
長妻:…(笑)。これをほかでやって滑り倒したり、嫌われたりしないように、自分の心の中で「ここだけだよ」って肝に銘じているところです。
――今回、初共演のお二人ですが、初対面のときからお互いの印象は変わりましたか。
岡本:初対面からこんな感じだったので、変わった印象はないですね。いつも現場を明るくしてくれて、ちょっと照れてしまう胸キュンシーンでも思う存分ふざけてくれてリラックスさせてくれていました。
長妻:僕ね、本当に真面目な話ししないんですよ。真剣な話しのときも、僕がこんな感じなので相手をイライラさせてしまうこともあって…。
岡本:でも長妻さんは、“やることはやる”っていうメリハリの効いた方なので、頼もしかったですよ。
長妻:岡本さんは“天真爛漫”で“笑顔が太陽”っていう印象が最初から変わらなくて、楽しい現場になるだろうなって思っていました。でも現場で、お芝居されているところを生で見ると、セリフの言い回しや状況だったり、その作品にあったものをすごく考えてらっしゃる方なんだなと思いました。
――今回のドラマはコミックスが原作ということで、特に意識されたことはありましたか。
長妻:正直、僕はあんまり意識せずにやっていました。僕がやる意味みたいなこともスタッフさんと一緒に考えさせてもらって、原作通りのシーンも必要なんですけど、そうじゃない人間の深い部分も表現できたらと思って、岡本さんとも相談しながら色々試行錯誤しながらやっていました。
岡本:私は原作のノリツッコミとかラブコメのテンポ感は外さないようにしようとは思いました。でも撮影に入った早いタイミングで原作者のアキラ先生がいらっしゃって、「ドラマと原作は別物として私も楽しみにしているので、作品がより良くなっていくように色々変えていただいて構いません」という言葉をいただいたおかげで、奏音を演じることに没頭することができました。
――本作は「結婚」がテーマとなっていますが、ご自身でそもそも持っていた「結婚観」と、役を演じて変化したことがありましたら教えてください。
岡本:私は実年齢的にも周りに結婚している人が増えてきていますし、「結婚」っていう言葉はすごく身近にあると感じています。奏音と同じように普通に結婚できるものだと思っていたら今に至って、正直焦りみたいなものも感じているところです。そんな中、このドラマ撮影に入って、結婚っていろんな形があるから「どういう結婚がいい」っていう価値観を持つことはやめよう…っていう強さみたいなものは、自分の中にできたかもしれません。個人的には、結婚するにしても“仕事”は譲れませんね。
長妻:仕事辞めてほしいってお願いされたら?
岡本:絶対無理です。私の生活の中で優先順位の1番は“仕事”なので、それを崩されることは絶対嫌です(苦笑)。
長妻:結婚観かぁ〜。僕は、まだ自分は楽しくいられればそれでいいのかなと感じていて、「結婚」という契約にこだわったり、振り回されたりするのはどうなんだろうなって思っていました。でもドラマの親に挨拶に行くシーンとかは、相手に対して誠実な気持ちじゃなかったらできないと思ったので、そういう責任を果たして結婚したいって思える相手に出会えることはすごいことだと思いました。大変だと思っていた結婚のいい部分が見えてきた感じです。
――岡本さんが演じられる篠原奏音と、長妻さんが演じられる城咲真は、性格や趣味、生まれ育った環境が違うのに惹かれ合うことになりますが、ご自身は篠原奏音と城咲真のように全く違うタイプに惹かれるタイプですか。
長妻:僕は考え方とかが似ている方が居心地がいいと思いますね。自分や相手が疲れているときや問題が起きたとき、同じ感覚を持ち合わせていた方がカバーし合えるし、そこが1番大事な気がしています。
岡本:私は、自分の価値観みたいなものを更新していくために、新しい考え方とか世界とかが知りたくて、全然違うタイプにいって痛い目を見るタイプでした、若い頃は…(苦笑)。
――印象に残っている撮影現場でのエピソードを教えてください。
長妻:僕演じる城咲が、岡本さん演じる奏音と一緒に洗濯ものを畳むシーンがあるんですけど、僕が洗濯物を払うとき思いっきりパンパンとやり過ぎちゃって…。
岡本:ものすごい音がしたんで、本番中なのに思わず笑っちゃいました。
長妻:あと岡本さんが差し入れしてくれたお菓子を、全部食べちゃった。
岡本:一口サイズの小さいお菓子で10数個ぐらいだったんですけど、スタッフさん1人ひとつずつは食べられるでしょ…って思って買ってきたら気づいたら無くなってて…。子供かって思っちゃいました(笑)。
――今回、長妻さんがエンディング主題歌を自ら作詞・作曲され歌唱されていますが、完成した楽曲はいかがですか?
岡本:なかなか主演の方がエンディング主題歌を担当され、しかも作詞・作曲まで手がけることはないと思いますので、すごいと思いました。次の週が楽しみになるような、ワクワクしながらもちょっとセクシーな、めちゃくちゃいい楽曲だと思っています。
長妻:楽曲「シンデレラストーリー」は、ドラマの主題歌ってことで、直接的な表現はあまりしないようにと思いながら作りました。自分にも思い当たる節があるみたいな、ある程度の視聴者の方との距離感みたいなものも考えつつ…って感じです。
1番の歌詞はドラマ撮影前に考えて、2番はドラマ撮影中に考えたので、いい対比になっているんじゃないかと思っています。楽曲は僕だけじゃなくて、いろんな方々の知恵が集まってできたので、みんなで作り上げた感が強いです。これがドラマのエンディングで放送されるのが、とても楽しみです。
――本作は「その結婚、正気ですか?」というタイトルですが、最近「正気ですか?」と思ったエピソードがありましたら教えてください。
岡本:それはもう、この作品の撮影ですね。1話30分、8話の作品を約2週間で撮影したんですけど、このスケジュールで撮るのは「正気ですか?」って思いました。なかなかハードで痺れる撮影現場でした。
長妻:それに、撮休(撮影の合間の休日)が1日で、その日に僕、エンディング主題歌のレコーディングがあって…。しかもそれが深夜12時ぐらいまでかかって、これ「正気なの?」って思っちゃいました(苦笑)。
岡本:でも監督やスタッフさん、長妻さんを始めすべてのキャストさんが心が温かいいい人たちでしたし、撮影が押すとかのトラブルも何もなかったです。梅雨の時期の撮影だったけど天候にも恵まれ、いろんな奇跡が重なって、無事クランクアップできました。いい作品が撮れたと思っていますので、ぜひ楽しみにしていてください。
◆取材・文=綱島深雪
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