犬飼貴丈“みきお”の死…「君なら解けると思っていたんだけどな」意味深すぎる言葉が謎を呼ぶ<なれの果ての僕ら>

2023/08/16 11:34 配信

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狂気の実験、その末期


一方、弘二のチームでは狂気的な絶対王政が完成。暴力によって王様の座を得た弘二は、引き続き痛みと恐怖でクラスメイトたちを支配下に置いていた。

口ごたえする梶原絃(斎藤流宇)や元担任・桜庭橋子(我妻三輪子)への当たりは特に強く、装置での罰を与えるほかにも直接的な暴力を振るうこともしばしば。やがて“誰にも自分は止められない”という確信を得たのか、行動はどんどんヒートアップしていく。

反撃のチャンスを伺う絃と橋子の会話を聞きとがめた弘二は、及川龍雄(草野大成)に絃を殴りつけるように命令。自分へ痛みが来るのを避けるために、龍雄は「喜んで殴らせていただきます」と絃への暴力を遂行する。

しかし始めは命令されて仕方なくだったはずの龍雄も、いつしか「ずっとずっと僕のこと見下してきて…!」と自主的に暴力を振るうようになっていく。制止の声をかける橋子に対して「王様、この人なんとかしてください」と提案するシーンの表情は、狂気一色に染まっていた。

間もなく、3チームのなかで突出して一致団結していた葉月依莉奈(紺野彩夏)たちが教室に到着。支配下にあった小山内彩(椛島光)が一瞬の隙を生んだことで、弘二は取り押さえられることに。

依莉奈チームの「思い切って行動してみよう」という提案を受けて、ネズチームも動き出していた。ネズは1人、みきおが待つ教室へ。部屋に入る前、彼の頭につい先ほどみきおと交わした会話がフラッシュバックする。

「この実験は君のために用意した。そしてそのテーマは…『幼少期に植え付けられた感情から人は解放されるのか』」と改めて実験の主旨を明かし、結果は惨憺たるものだったと続けるみきお。そしてさらに、「君なら解けると思ってたのになぁ。過去の呪縛」とどこか寂しげで冷たい視線をネズにぶつけていた。

あまりの謎めいた言葉に、雨宮鈴子(大原優乃)から声をかけられるまで扉の前で立ち尽くしてしまったネズ。気を取り直して部屋に入ったネズを待っていたのは、目をつぶって横たわるみきおの死体だった。血は流れていない、実験の行く末は、誰がみきおを…混乱が混乱を呼ぶ状況のなか、ネズの頭には自身の心音だけが大きく響き続ける。