ようやく姿を現したテントのリーダー、ノゴーン・ベキ。幹部会らしき場所で、収益を誤魔化し私腹を肥やそうとした者を粛清した。「我々の資金が何のために世界から集められているのかどうして理解できない。私腹を肥やすなど言語道断」という言葉から大きな目的のために資金が集められていることが分かったが悪の組織なのか、それとも義賊的な組織なのかは分からないまま。
一方、別班の乃木は、同僚だったテントのモニター山本(迫田孝也)を殺害したが、アリとその家族は生かし、国外逃亡の手助けをした。その理由は、アリは自分の組織のために働いたが、山本は日本人でありながら日本を裏切り、多くの国民の命を危険にさらしたからだという。
アリはそのお礼として数字が羅列された1枚のメモを乃木に手渡した。それはテントに辿り着くための重要なものだった。その数字には有効期限があり、それを過ぎると意味をなさないものになってしまう。残り時間は120時間。
公安・野崎は、乃木が別班であることを公安部部長の佐野(坂東)に報告。国防の最先端を担う別班に関する情報ということで、このことは他の者にはまだ話さないと密約した。さらに、乃木家の家紋がテントが残すマークと類似していることも報告した。
テントのリーダーが乃木の父親であること、その父親・乃木卓(林)はかつて警視庁の第3機動隊に所属していたことを伝えると、佐野は乃木卓のことを調べ、公安外事第1課に所属していたことが判明。「元公安ならテロや軍事の知識も豊富だ。乃木卓はテントの首謀者でも不思議じゃない」と野崎は確信した。
乃木はテントを追っており、乃木を追えばその先にテントが見えてくる。野崎の中で“テントを見つける”ための最善策が浮かんだようだ。
誤送金を仕組んだ天才ハッカー“ブルーウォーカー”こと太田梨歩(飯沼愛)の保釈請求が通った。保釈金は1億円。ちょうど乃木が帰国したタイミングでの保釈ということで、保釈金を用意したのは別班だと野崎は考えた。
まさしく野崎の考え通り、太田の保釈金、弁護士費用、新しい住居を用意したのは別班だった。太田を新居で出迎えたのは乃木の相棒・黒須だった。そこにはハッカーにとっての最強マシンも運び込まれていた。
太田は「また私に犯罪をしろと?」といぶかしげに言い放つが、黒須は「犯罪じゃない。国防だ」と反論。「今度は君の類まれな力を国を救うために使うんだ」と言われ、怪しみながらも手伝うことを決めた。
別班のサイバー班がスーパーコンピューターで数字を解読しているが全く手がかりが掴めていない。しかし、太田は数字を見て何か閃いた。黒須に情報提供者・アリのスマホ現物を取り寄せさせ、カメラアプリを使って、その数字の謎をいとも簡単に解いてみせた。
その数字の羅列自体がQRコードのようになっていて、カメラで取り込むことで意味をなすものだった。スマホの中のアプリは過去のメッセージが消去される仕様なので、サーバーの場所を特定する必要がある。
そこで太田は、メッセージにウイルスを仕込み、サーバーに辿り着いたらサーバー内をハッキングして内部の情報を引き出すという仕組みでサーバーを特定するという方法をとった。
時間ギリギリでサーバーのアドレスを取得できたが、アプリのメッセージを読むにはパスワードが必要だった。パスワードを解読することは太田にとってたやすいことだが、自分の首にナイフを当てて自死をほのめかし拒否の意を示した。
黒須からの連絡で乃木がやってくると、「やっぱり。山本と親友だったもんね。何が国防よ」と、山本からひどい仕打ちを受けたことを思い出す。そんな太田に乃木は山本を粛正した時の映像を見せ、訓練したナイフの腕前を示した。そのことによって太田は乃木たちを信頼し、パスワードを解読してメールの中身に辿り着いた。
乃木たちが暴いたメールの中身などを丸ごとかっさらっていこうと考えていた公安は、捜査令状を持って踏み込むが、最強マシンはどこにも見当たらなかった。野崎は予想していたようだが、隣の部屋と行き来できるようにしておいて、捜索が入った部屋には家電などの他に何もない状態になっていた。最初の勝負は、乃木ら別班が一枚上手だった。
◆文=ザテレビジョンドラマ部
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