”好き避け”とは、好きな人を意識しすぎて逆に避けてしまったりすること。丈治は、公文の行動は、「クリエイターが物語のヒロインに感情移入して、想像の中、疑似恋愛をしてしまう。自分でも予期せぬ感情に驚いて、思わずマズイと(避けてしまう)」と分析する。
丈治の話を聞いて、すいは「私を“好き避け”して逃げ出した」と驚くが、「いやぁ、ないない(笑)」と笑って否定。しかし、自分の部屋に戻ってひとりきりになるとアガサのフィギュアに向かって、「ないない!」と言いながらも嬉しそうな表情を見せ、感情を抑えきれず、ベッドの上で転げ回った。
以前の食事会で彼氏を装って颯爽と登場した公文。すいにとって救世主である公文がそのような態度を示していることはきっとまんざらでも無いはず。
高校のサッカー部の仲間たちのフットサルの集まりに参加したすいと公文。雨宮から「二次元と三次元って何か違うんですか?」という質問を受けた公文は「根本の精神性は違いますね」と答えて、映画「タイタニック」を例に挙げて話しだすと、すいが割って入り「三次元は現実的でしょ?あり得ない!なんで大好きな人を一人で思いながら生きていけないの?それは裏切りなの。二次元はそんな浅い愛を全否定するのだ」と熱弁をふるった。
公文がベンチに座ってフットサルの練習を見ていると、いつの間にか隣にすいがいて、思わず飛び退くように立ち上がった。すいは「もしかして“好き避け”ですか?クリエイターは物語のヒロインに感情移入からの疑似恋愛をする時がある、知らぬ間に」と直接確かめようとするが、公文は「物語限定だ」と強く否定。
しかし、すいは「でも今、目の前に存在する。妄想でもあり、現実でもある。あなたは今、私を二次元と三次元の狭間、2.5次元のヒロインとして見つめている?」と詰め寄る。「もし触れたら?三次元、リアルになる?」とからかうすい。公文の本当の気持ちはどうなのだろうか。
久美が丈治の家を訪れた時、丈治が公文のことを「すごく冷静に、いや、冷徹に、いや、冷酷にすいを観察してるみたいで。でもその一方で“かわいそうで見てられない”と目の前にいられずに書斎からパソコン、フィルター越しにのぞいていた。冷酷な作家の公文さんと素の本当は素朴で優しい彼、その2人がいるのかな」と分析。その分析に感銘した久美は泣きそうになりながら、丈治の手を握りしめた。
盗聴ですいの行動を観察しながらも、雨の降るバス停でベンチに座って悲しむすいに傘を差し出す公文。その行動にも丈治が分析した二面性が表れているように感じた。
久美が芽衣に「公文先生には大切な人がいるの。たとえるなら、その人のために1000回身代わりになれるくらい」と話す場面があり、どうやら公文のすいに対する行動は単純に“好き避け”だけではなさそう。まだまだ謎な部分が多い公文だが、すいとの関係性に変化が生じてきたことは確か。今後、2人の関係性がどうなっていくのかにも注目したい。
◆文=ザテレビジョンドラマ部
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