神木隆之介主演の連続テレビ小説=朝ドラ「らんまん」(毎週月~土曜朝8:00-8:15ほか、NHK総合ほか※土曜は月~金曜の振り返り)。9月26日放送の第127回では、万太郎(神木)の娘・千鶴(松坂慶子)と、槙野邸へアルバイトとしてやってきた藤平紀子(宮崎あおい※「崎」は正しくは「立さき」)のチャーミングなやり取りが描かれ、その“バディ感”が視聴者の注目を集めた。(以下、ネタバレを含みます)
幕末から明治、そして激動の大正・昭和を舞台に、高知出身の植物学者・槙野万太郎が植物学の道を突き進む姿を描いてきた「らんまん」。最終週「スエコザサ」では、関東大震災を乗り越え昭和の世を迎えた万太郎たちの物語が綴られていく。
それと並行して描かれているのが、昭和33(1958)年の夏、万太郎の遺品を整理する娘・千鶴の姿。膨大な標本や資料を前に途方に暮れる千鶴の前に、資料整理のアルバイトとして紀子がやってきた。
万太郎が「この先の世に遺したい」と願った標本の膨大さと学術的価値の大きさに、「こんな重大な仕事、とても…」と一度は辞退した紀子。だが、最後には「次の方に渡すお手伝い、私もしなくちゃ」と、整理の仕事を引き受けた。
作業を始めると、紀子は実に優秀だった。標本を整理するにあたり、日記や植物採集時に使った新聞紙から、万太郎がいつ、どこで植物採集をしたか、その“行動録”を作っていく。
中には、国内に同じ名前が複数あって特定が難しいケースも。たとえば“日光山”という名の山は岩手と山形にそれぞれ存在していて、有名な観光地である栃木の日光には“日光山”という名の山はない、という。
昼休憩をとりながら、紀子がその話をすると、千鶴は「え、やだ、ちょっとお父ちゃん困るわ」とびっくり。すると紀子は「でも、手がかりがあったんです。新聞です。博士はその土地の新聞で標本を乾燥させていたんです」と、残されたヒントをたよりに地名を特定してみせた。