俳優の森田剛が6日、都内で行われた映画『白鍵と黒鍵の間に』初日舞台あいさつに、主演の池松壮亮、共演の仲里依紗、松丸契、メガホンをとった冨永昌敬監督とともに登壇した。
本作は、昭和末期の夜の街・銀座を舞台に、未来に夢を見る“博”と夢を見失っている“南”の2人のピアニストの運命が大きく狂い出す一夜を描く物語。ジャズミュージシャンで、エッセイストとしても才能を発揮する原作者の南博が、モデルの主人公を“南”と“博”という2人の人物に分けて、“3年”におよぶタイムラインがメビウスの輪のようにつながる“一夜”へと誘い、観る者を翻弄する。
南と博を翻弄する刑務所からシャバに出てきたばかりの謎の男“あいつ”役を演じる森田は、ステージに登壇すると「緊張していますが、みなさんの顔が見られて嬉しく思います。僕自身も参加できて嬉しい作品です」とあいさつ。撮影で思い出に残っていることを聞かれると「“あいつ”って役はすれ違うときに相手から見られていないと監督からその場で言われまして、すごく印象に残っていますね。悲しい気持ちになりました。無視されるって悲しさを味わいましたね」と嘆いて笑いを誘った。
また、劇中に登場するセリフにちなみ「いったい何をやっているんだ!?」と思ったエピソードを尋ねられた森田は「僕は植物が好きで、特にお水をあげているときが好きで、お水をあげているときにニヤけてしまうというか。そうすると“気持ち悪いな俺”って思っちゃうんですよね」と吐露し、「植物好きならわかると思うんですけど、お水をあげている瞬間に自分も生きているなって感じがするんですよね。だから“何やっているんだろうな”という気持ちと、楽しいなというか“俺はこれでいく!”っていうのと両方あります(笑)」とコメント。
さらに、植物のどういう姿を見てニヤッとしてしまうのか追求された森田は「説明は難しいんですけど、とにかく水が大事ってことですね。1番大事なことをやれているということや、あとは喜ぶ…(笑)。あんまり言うと大丈夫かってなるんですけど、毎日見ていると(植物が)喜んでいるのがわかるので…以上です(笑)」と会場の空気を察して話を切った。なお、ほかに植物を育てている人はいるか尋ねられると、仲は「枯らす天才です」とぶっちゃけて観客を笑わせた。