柳俊太郎“律”のつらい生い立ちが明らかになり、「クズ男」呼ばわりしていた視聴者が同情ムードに<けむたい姉とずるい妹>

2023/10/24 18:31 配信

ドラマ レビュー

ただのクズ男ではなかった つらい過去を抱えていた律(柳俊太郎)(C)「けむたい姉とずるい妹」製作委員会

けむたい姉とずるい妹」(毎週月曜夜11:06-11:55、テレビ東京系)の第3話が10月23日に放送された。じゅん(栗山千明)の元カレで、じゅんの妹・らん(馬場ふみか)の夫・律(柳俊太郎)のつらい生い立ちが明かされ、前回までどっちつかずの彼に対して「クズ男」「サイテー」などと非難ごうごうだった視聴者が一転、同情ムードになった。(以下、ネタバレを含みます)

律の愛情に不安を覚え始めたらん…


同ドラマは、ばったんによる同名のマンガが原作。妹の略奪愛が原因で音信不通の不仲となった姉妹が母の死をきっかけに同居する事になり、姉の元カレで、現在は妹の夫である男性を巡って壮絶なバトルを繰り広げるストーリーだ。

家の外で思わず熱いキスを交わしてしまったじゅんと律。2人は時間差で家に入り、「表でバッタリ会った」と律はらんに告げたが、らんは一抹の不安がよぎるのだった。

翌日、「昨夜、電話でらんに招待された」と、律の母親が家に来た。だが、律は母を見るなり不機嫌になった。そこへじゅんがやって来て、律の母が来ている事を知り、気まずい思いでいっぱいになった。挨拶もそこそこにその場を去ろうとしたじゅんをらんは引き止め、一緒に昼食を食べよう、と誘った。「お姉ちゃんの分も用意してるよ」と、作り笑顔を見せるらん。普段は、食事は別々に作っているのに…。じゅんをいたたまれない気持ちにさせようと計画していたのは明らかだった。

夫婦と姑、そして“よそ者”での昼食。律の母はらんを褒めちぎり、仲良し嫁姑の会話が続く。そんな中、律の母は知ってか知らずか、じゅんに「お姉さんは、いつまでここに? 今はたまたま遊びに来ているだけでしょ?」と問いかけた。それを聞いて、「じゅんちゃんは…」と言いかけた律をさえぎって、「ここは、私の実家ですから」と強い口調で答えて、じゅんは席を立った。そして、律もじゅんを追いかけるように「オレも仕事があるから」と、席を立った。

らんは、律の母親を家に招き、じゅんにいたたまれない想いをさせる(C)「けむたい姉とずるい妹」製作委員会


律と母の壮絶な関係が明らかに


律は母親との関係がうまくいっていなかった。子供の頃、父親が家を出ていき、それ以来、母は律に依存するようになっていった。「お母さんの言う事さえ聞いてれば、間違いない」と、彼を支配し、次々に彼の自由を奪っていった。律は小説を書く事でつらさを紛らわすようになり、小説を書いている間だけは母親から逃げられる気がしたし、「頭の中のものは誰にも取り上げられない」と信じ、それが心のより処となっていた。だが、それさえも母は否定した。

耐えられなくなった律は家を飛び出そうとしたが、母は半狂乱で彼を引きとめ、挙句の果てには「お母さんの事、1人にしないって約束したじゃない!」と、カッターで手首を切ろうとした。

その時、幼い律は、おかしくなった母親から自分を守るには「諦める事」しかない、と悟った。それ以来、彼は何か欲求が生まれても、じっとやり過ごして忘れる術を身につけてしまったのだった。