「自分の意見は自分だけのものでしょ」
そうして、いつのまにか自分の意志を持たない性格になっていったのだが、そんな彼を目覚めさせたのが、じゅんだった。高校時代、「オレが意見を言ったって、何も変わらない」と言った彼に対し、「自分の意見は自分だけのものでしょ」と、じゅんは怒ったのだった。これは、きっと律がずっと欲しかった言葉だったはずだ。
以来、2人は接近し、交際が始まった。律にとって、じゅんは“初めて手に入れた大切な人”だった。しかし律の母は、どこか一線を引いたようなじゅんの態度が気に入らず、交際を快く思わなかった。じゅんだけは奪われてはいけない、そう思った律はバイトを始め、彼女と住む為の資金を稼ぎ始めるのだった。
じゅんと律の破局の真相
しかし、そんなある日、じゅんが律に「らんとホテルに行ったんだって!?」と怒りをぶつけてきた。律はらんと浮気などしていなかった。だが、今までさんざん自分の物を妹に取られてきたじゅんは、律の愛情を信じられなくなっていた。
律は、誤解を解こうとじゅんを追いかけたが、その時、病院から連絡が。律の部屋で物件のチラシを見つけた母が息子に捨てられると悲観し、睡眠薬を大量摂取して運ばれたのだ。律は、それ以上じゅんを追いかける事ができず、「やっぱり好きなものは手に入らないんだ…」と痛感した。彼はまた、諦めてしまった。
じゅんと律の破局の真相と、律のつらい生い立ちが明かされると、視聴者はSNSに「毒親すぎる」「律にこんな過去があったとは…」と感想を寄せ、前回までのアンチコメントから一転、同情ムードになった。
再燃したじゅんと律の愛は、もう止まらない
律は、高校時代と変わらずに、今も欲しい言葉をくれるじゅんに対し、諦めたはずの想いが後悔と共に再燃する。そして、じゅんも律への想いはもう止まらない。一方、律の愛情に不安を抱え始めたらんは、依存と執着が激しくなってくる。このまま行けば、律の母親のようにらんも壊れてしまうだろう。それぞれの痛みが明らかになり、単純に「誰が悪い」とは言えなくなってきた。この複雑な三角関係は、どう着地するのか見守りたい。
※柳俊太郎の柳は正しくは「木へんに夘」
◆文=鳥居美保/構成=ザテレビジョンドラマ部
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