――萩原健太郎監督の演出で印象に残っていることは?
作品全体の話になってしまうのですが、監督は自分の頭の中に明確なイメージがある方でした。どうしても撮影を進めていく中で、カメラマンさんが撮りたいイメージや役者側とのコミュニケーションなど色んなことを決めないといけないと思うんです。
最終的に決めるのは監督ですが、そのやりとりが毎回すごく難しいことだなと思っていて。監督は本当に柔軟で意見を取り入れながらも、絶対に自分が譲りたくないところは突き通すんですよ。
――「何度も話し合う時間があった」とおっしゃっていましたもんね。
「柔軟だけど、自分が持っているものは崩さない」という部分が(監督に)あると、すごく信頼できるというか、僕も100%でお芝居できますし、監督に付いて行けば撮りたいものが妥協せずに撮れるんだって。なので芝居している中で思ったことがあれば、素直に監督にも相談することができましたね。
――この作品でタイムが暮らす「ウーパナンタ」は、異世界ですが、奥平さんは異世界があれば信じますか?
どこにあるかは分からないですけど、あったら夢があるなって思いますね。例えば、パラレルワールドみたいな「別の世界線」があれば見てみたい。これは僕の願望なのですが、俳優の仕事をしていなかった自分がどうなのか知りたいんです。
最近思うのが、この仕事をしていると気にしなくて良いことも気にしないといけない瞬間があって。僕は地元の友達が多いんですけど、彼らが“気にしていない姿”を実際に見ると感覚が分からなくなるんです。
でも、役者さんは一般的な感覚を持っている人を演じる機会のほうが多いから、そういう意味で別の世界線を見て、色んな感覚を知ることができたらお芝居にも役立ちそうだなって思うので、もしあればぜひ見たいですね。
◆取材・文/suzuki
撮影/永田正雄
スタイリスト/伊藤省吾(sitor)
ヘアメイク/速水昭仁(CHUUNi Inc.)
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