福原遥と水上恒司が、12月19日に都内で開催されたW主演映画「あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。」の大ヒット御礼舞台あいさつに登場。福原が一緒に登壇した原作者の汐見夏衛氏からのサプライズの手紙に思わず涙を流す場面があった。
同作は、SNSを中心に「とにかく泣ける」と話題になり、累計発行部数90万部を突破した汐見氏の同名小説が原作。現代の女子高校生・百合(福原)が目を覚ますと、そこは1945年の日本。そこで出会った彰(水上)に何度も助けられ恋をするが、彼は特攻隊員として程なくして戦地に飛び立つ運命だった…という物語だ。
12月8日より公開されるや「人生で一番泣いた映画」「名作」「涙腺が崩壊した」などと話題を集めている今作。公開から約10日がたち、福原は周囲の大きな反響に驚きつつ「私のいとこも小学生、高校生の子なんですけど『この作品を見て戦争について勉強するようになった』とか『資料を見るようになった』と聞いて、うれしいな、思いが届いているなと感じています」と、ほほ笑んだ。
「3日間で合計13回の舞台あいさつをしてきた」という水上は、その中で「毎回ティーチイン(直接観客からの質問に登壇者が答える)だったんですけど、特にうれしかったのが中高生の若い方々、ギャルみたいな女の子もいましたし、ギャル男もいましたし、そういう方々にも『見たい』と思わせられた、そして見ていろんな感想を持たせることができたというのが大変うれしかったですね」と話し、若い層を含め幅広い世代に刺さっていることを喜んだ。
東京だけではなく大阪、福岡、愛知でも舞台あいさつを行ったという2人。水上は地元・福岡での舞台あいさつが印象的だったそうで「僕が行っていた博多駅内映画館とキャナルシティ(博多)の中の映画館と2カ所ほど行かせていただいたんですが、どちらもティーチインの時に、(質問する観客が)お立ちになって、『私の思いはこんな感じです!質問は~…』って。さすが福岡だな!と。俺の故郷、好き!って。『座っていいんですよ』と言っても、その後も全員立つんですよね」と熱のこもったティーチインだったことを伝えた。
その後、2人にはサプライズで原作の汐見氏から手紙が寄せられ、MCが代読することに。この流れに福原が「台本短いなと思ったよね(笑)」と言うと、水上も「本当に30分かな?って。われわれ13回(舞台あいさつを)してますからね」と話すなど、薄々“何らかのサプライズ”があることは感づいていた模様。
そして「福原さんに百合を演じていただけて良かったと何度も思っております」などと、汐見氏からの思いのこもった手紙を受け、福原は「めちゃめちゃうれしいです。汐見先生の原作が本当に素晴らしくて、読ませていただいた時から私も涙して、本当にすてきな作品だなと。同時に原作の百合に近づけられるのかなって何度も不安になって、無理かもしれないって思いながらやっていたので、汐見さんにこんなすてきなことを言っていただけて、本当にやって良かったなと。ありがとうございます。うれしいです。幸せです」と、涙をこぼしながら感謝した。
一方、「水上さんのこれまでのご活躍は何作も拝見していたので、(配役の)お名前を伺った時に誠に僭越ながら『ああ、これで安心だ』と思ったのをよく覚えています」と、全幅の信頼を寄せられていた水上は「役者の仕事は現場の監督の『OK』を出すために日々まい進していくと言いますか、それ以上でもそれ以下でもないと僕は思っています。何よりも原作者である汐見先生が『彰をこういうふうにしてくれて…』と思ってくれたこと、僕はそれだけでいいなと思います」と汐見氏の言葉に喜びをかみ締め、「もう興行(収入や動員)が伸びようと伸びまいと、それが一番うれしいですよね。本当にありがとうございます!」と、熱く謝意を述べた。
映画「あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。」は全国公開中。
◆取材・文・撮影=月島勝利(STABLENT LLC)