土岐は佐原のようすに気づかずに「すげぇよなぁ。高校では全国大会、大学ではオリンピック候補!」と感心する。「でも、やっぱ佐原はなんかスポーツやってたって思ってた!」と興奮気味に土岐がしゃべっている傍らで、佐原は無意識に腰に手をやる。
土岐が気づいて「どうした、大丈夫か?腰痛いのか?」と腰に当てた佐原の手に自分の手を被せると、佐原は驚いて体を回転させて手を振り払う。そして、「悪い。お前には関係ない」と目を伏せて佐原は立ち去ってしまう。
土岐は振り払われた手を引っ込めることもできずに呆然と立ちすくみ、「いつも優しく触れる佐原の手、その手に初めて拒まれた」とショックを受けて手を見つめるのだった。
佐原のただごとじゃないようすと拒絶されてしまった土岐を見ていると切なくて胸が詰まる思いがした。
◆構成・文=牧島史佳
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