ヤクザ社会に生きる女性の生き様を描いた映画「極道の妻(おんな)たち」シリーズ全10作品、BS松竹東急にて怒涛の一挙放送

2024/01/14 17:00 配信

映画

「極道の妻たち」より(C)東映

BS松竹東急(全国無料放送・BS260ch)の放送枠「よる8銀座シネマ」では、1月から2月の2カ月間にわたって、ヤクザ社会の裏側で生きる女性たちの凄絶な生き様を描いた映画『極妻』シリーズ全10作品を一挙放送。そのパート1として、1月15日(月)~19日(金)には、「極道の妻たち」(1986年公開)、「極道の妻たちII」(1987年公開)、「極道の妻たち 三代目姐」(1989年公開)、「極道の妻たち 最後の戦い」(1990年公開)、「新 極道の妻たち」(1991年公開)の5作品がラインナップ。

ヤクザの世界を女性側の視点から描いた異色の任侠映画シリーズ


本シリーズは、ジャーナリストの家田荘子がヤクザ社会の裏で生きる女性たちを密着取材し、“ヤクザの世界”を女性側の視点から描いた、異色の任侠映画シリーズだ。1986年に1作目となる岩下志麻主演「極道の妻たち」が公開されるとたちまち話題となり、2013年公開の黒谷友香主演「極道の妻たち Neo」まで16作が製作された。

1作目および、4~10作目の主演を務めた岩下は、極道の妻になりきるため、外股で歩き、あごをあげて見下ろすようにして低いトーンで話すなど、徹底した役作りをおこなったという。台本を覚えている最中にかかってきた電話に「わてや」と出てしまうほど役に入り込んでいたこともあったそうだ。その甲斐あってか、映画がヒットすると、岩下は“本物さん”の集団から外出先で敬礼され戸惑うこともあったと、2018年に出演した「徹子の部屋」(テレビ朝日系)で語っている。

それほどまでにハマり役であった初代の岩下、二代目の十朱幸代、三代目の三田佳子に続き、4代目の姉御となった高島礼子は、以前出演したテレビ番組で、本シリーズのキャスティング条件について、「声が低いこと。じつは背もそこそこあること」などを明かしている。

ちなみに肝が座ったカッコいい女性の代名詞のような存在の姉御だが、じつは、岩下はピストルの音が怖く、撮影時にはビクビクしていたそうだ。迫力ある数々の名シーンの裏にはそんなかわいらしい一面があったのだと思うと、また違った姉御の姿が楽しめるのではないだろうか。

「新 極道の妻たち」より(C)東映


堂本組総長の急死で跡目相続を巡る抗争が勃発する「極道の妻たち」


1月15日(月)夜8時より放送の「極道の妻たち」は、岩下が主演を務めるシリーズ1作目だ。粟津環(岩下)は、服役中の粟津組組長・粟津等(佐藤慶)に変わって組を取り仕切っていた。そんな中、傘下組員が2万人という暴力団・堂本組の総長が急死。その直系である粟津組は跡目相続を巡る抗争に巻き込まれていく――。

1月16日(火)夜8時より放送の「極道の妻たちII」では、十朱が大阪・港南市に縄張りを持つ重宗組の四代目組長・重宗孝明(藤岡琢也)の妻・遊紀を演じる。夫の孝明が才のない博打と女道楽にうつつを抜かし、組の経営は風前の灯という状況下だったため、遊紀は一人で組を取り仕切っていた。そんな中、関西新国際空港の工事を巡って磐城四天王の一つである和歌山の河東組と利権争いが勃発する――。

「極道の妻たちII」より(C)東映