<異修羅>魅力キャラクター続々登場に「私の推しは決まりました!」、豪華キャスト陣による“イケボ合戦”も見どころ

2024/01/12 19:43 配信

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ハルゲント演じる大塚明夫、その声にいつもと違う印象も


次の舞台は黄都から遠く離れたティリート峡。黄都二十九官のひとりである静寂なるハルゲント(CV:大塚明夫)は、この地を統べる伝説のドラゴン、燻べのヴィケオン(CV:岸野幸正)が手負いだという情報を入手し、これを討伐するために隊を引き連れてこの地を訪れていた。しかし、こちらが発見するよりも先にヴィケオンからの奇襲を受けてしまい、隊は大ダメージを受ける。ハルゲントはひとり生き残りヴィケオンと対峙するが、そのヴィケオンは予想以上にボロボロの状態だった。その傷を与えたのは、ワイバーンのなかに現れた英雄だと言う。さらなる討伐隊がいないことを確認したヴィケオンは、その場でハルゲントを殺そうとする。ハルゲントも高度な工術で射撃兵器を作り出し攻撃するも、ヴィケオンの強靭な皮膚はいとも簡単にそれを跳ね返す。ヴィケオンの詞術が発動せんという瞬間、そこに現れたのが、ヴィケオンを追い込んだワイバーンの英雄、星馳せアルス(CV:福山潤)だった。

後半はハルゲントとヴィケオン、そしてアルスの物語。巨大なドラゴンを前にして対等に話すことのできるハルゲントの胆力は見上げたものだが、「黄都第六将の力を知れ!」と息巻いて攻撃するも、まるで歯が立たない様子は、はたから見ればかなり滑稽。ハルゲントを演じている大塚明夫と言えば、渋くて重厚感のある低音ボイスが特徴で、ほとんどの作品で超強キャラとして登場しているだけに、ハルゲントのような見栄っ張りで落ち目なキャラは珍しい。ふだんなら無敵なイケボも今回ばかりは虚勢に聞こえ、声を張り上げれば上げるほどに悲哀を感じさせるなど、いつもとは違う大塚ボイスが堪能できるのも貴重な体験かもしれない。

ハルゲントとアルスの微妙な関係性が刺さるファンが続出!?


ワイバーンとドラゴンの戦いが始まる。アルスは、怒りにわななくヴィケオンのブレスをかいくぐり、毒の魔弾をヴィケオンの左眼に撃ち込むと、さらには形状変形の詞術で魔弾を体内で弾けさせて圧倒する。ハルゲントは、自分のことを助けたアルスに対して怒りをぶつけるが、アルスは「友達を助けるのなんて 当たり前だろ?」とどこ吹く風。どうやらふたりは以前からの知り合いのようだが、ハルゲントはアルスのことを「友ではない」と遠ざけ、逆にアルスはハルゲントのことを「尊敬できる友」だと思っているようだ。とここで、絶命したかに思えたヴィケオンが再び立ち上がり、最後の力を振り絞ってアルスたちに襲いかかる。アルスは魔具を使ってハルゲントも守りつつ、その直後、光の魔剣でヴィケオンを真っ二つにするのだった。

ふたり目の「修羅」として紹介されたアルスは、規格外のワイバーンだ。本作に登場するワイバーンやドラゴンといった種族は、一般的なファンタジー作品における立ち位置とほぼ同じ。ワイバーンは「鳥竜」という当て字の通り、小型の翼竜でドラゴンよりははるかに弱く、総じて残忍で凶暴だ。対してドラゴンは、ヴィケオンの口ぶりからも最強種のひとつであり、プライドの高い高貴な存在であることが伺える。それだけに、ワイバーンでありながら最強種であるドラゴンをいとも容易く倒したアルスは明らかに異常なのだが、伝説のドラゴンが引き立て役にしかならないレベルが「修羅」なのだろう。このアルスは、登場シーンのポージングやビジュアルがとにかくかっこいいのだが、福山潤のクールで透き通った声もかなり印象的だ。ハルゲントとのあいだに何があったのかは分からないが、ハルゲントのことを心から尊敬していることは声からもよく伝わってきて、とても魅力的なキャラクターに仕上がっている。実際、SNSでもアルスに惚れたという声は多くて「私の推しは決まりました!」「ワイバーンとおじさんの関係エモい」など、盛り上がっていた。

そして最後は、「第二話」で初お披露目となったエンディングにも注目したい。EDイラストは全て原作の挿絵を担当しているクレタが手がけており、その美麗で繊細なタッチはアニメ絵とはまた違う魅力が詰まっていてまさに眼福。原作ファンにとってはこれ以上ないサプライズでもあるだろう。さて、次回第三話は1月17日(水)放送予定。期待して待とう。

※朴ロ美のロは、王へんに路

■文/岡本大介

テレビアニメ「異修羅」第2話より(C)2023 珪素/KADOKAWA/異修羅製作委員会

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