――宮藤さんの脚本を読んだ感想を教えてください。
一言目から過激でした(笑)。でもだからこそ、すごく面白いなと思いましたね。近年、テレビでも何でも、“やりたいけれどできない”ということが増えてきている気がしていたので、やりがいがある作品だと思いました。この作品を見てくださった皆さんの感想も聞きたい。皆さんの反応がすごく楽しみです。
――不安と期待、どちらが大きいですか?
不安より楽しみが大きいですね。僕は脚本の宮藤官九郎さんと同じ年齢。同じ時代を生きてきたので、宮藤さんが描きたい世界観はすごくよく分かります。
現代であれば描くことが難しい設定やセリフも、‘86年を舞台にすればできる。宮藤さん、うまいこと考えたなと思いました。書きやすいんですかね、撮影始まって4日しか経っていない段階で、第6話まで台本がありましたから(笑)。
ただ一方で、視聴者の中には全く昭和を知らない人もいらっしゃると思います。そういう方たちもきっと興味を持てる作品だと思うので楽しみにしていただきたいです。
――改めて、阿部さんが演じる小川市郎はどんなキャラクターですか?
中学校の体育教師で野球部顧問。超スパルタで“地獄のオガワ”なんて呼ばれて、生徒たちから恐れられています。僕は学生時代に野球部にいたので、この設定を聞いてまず、自分の野球部時代の顧問を思い出しました。
平成・令和生まれの皆さんはびっくりすると思うんですけれど(笑)、本当に熱血、いやスパルタ指導をする先生がいたんですよ!
――竹刀を持って校内を巡回している先生など、今思い返せば先生方も加減はわかったうえでやっていたんですが…。
そうです、そうです。なぜ叩かれたのか、殴られたのか…本当に意味が分からないと、今でも思います。“お前は見かけ倒しだ!”なんて言われましたし(苦笑)。
当時から本当に失礼なことを言うなとは思っていましたけれど、そういう人のことや言葉ってすごくよく覚えているんですよね。しかも何十年も経っているのに、意味が分からなくて面白い。
今回は、学生時代にお世話になった先生方のキャラクターを生かしたいと思います。今ここにきて、厳しい指導を経験しておいてよかったなって思っています(笑)。
――外見も参考にされているのでしょうか?
80年代に流行していたテクノカットヘアにしています。このテクノカットには思い出がありまして。僕が通っていた中学校は1学年14クラスと生徒数が多かったこともあり、生徒を校則でしばることが多かったんです。中には“気にしすぎでしょ”っていうものもあって。
特に“野球部は5厘刈り坊主”なのに“テクノカット禁止”というもの。先生方の目に僕たちの髪型はどう映っていたんだろうなと思います(笑)。
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