第4話脚本・喜安浩平「下北沢ダイハード」に新風を吹き込む!?

2017/08/11 22:44 配信

ドラマ

「下北沢ダイハード~人生最悪の一日~」第4話「夜逃げする女」脚本担当・喜安浩平

テレビ東京で放送中のドラマ24「下北沢ダイハード~人生最悪の一日~」。小劇場で活躍する人気劇作家が脚本を書き下ろし・・・というサブカル色・ニッチさ・趣味性がドラマの特徴だが、8月11日(金)放送の第4話「夜逃げする女」は、趣きが少し異なって見える。

出演に緒川たまき酒井若菜志尊淳山西惇、脚本担当は喜安浩平、そして関和亮が演出する。

脚本に絞ってみれば、担当の喜安浩平は、劇団ブルドッキングヘッドロックの主宰・作・演出家と整理紹介されているが、ケラリーノ・サンドロヴィッチ主宰の人気劇団「ナイロン100℃」に所属し、アニメ「はじめの一歩」幕之内一歩役、「テニスの王子様」海堂薫役の声優を務めた役者であり、映画では「桐島、部活やめるってよ」(吉田大八と共同)、ももいろクローバーZ出演の「幕が上がる」、岡田将生、染谷将太、成海璃子、松岡茉優ら出演の「ストレイヤーズ・クロニクル」(瀬々敬久と共同)の脚本を手掛けている。

こうして並べてみるだけで、「下北沢ダイハード」では最大のメジャー感を抱かせる。さて、その中身はどうなるか? 第4話あらすじは次のとおり。

20年間下北沢に住み続ける須田類(緒川たまき)と椎名照美(酒井若菜)は、下北沢の小さな古着屋を共同経営している。ある日、類の元に照美の恋人・原田利夫(山西惇)が現れ、300万円の返済を迫った。原田と音信を絶っていた照美は、店の奥に隠れていた。なぜなら、その300万円は店の経営のために使ってしまったのだ。金が返せないなら結婚する、と言う原田。耐えかねた照美が姿を現すが、結婚して照美を下北沢から連れ出そうとする原田に、照美は下北沢を離れる気はないと突っぱねる。それでもしつこく結婚を迫る原田に、類は後ろからビンテージのブーツを何度も何度も振り下ろす。原田は頭から血を流し、動かなくなり…。まずい事態に夜逃げを企てた2人は、知り合いの若手俳優・深大寺(志尊淳)に連絡。何も知らない深大寺の手を借りて、箱に詰めた原田を車で運び出そうとする…。

いつもながらの“ダイハード”な状況は盛り込まれているが、やはりどこかこれまでの3作とは異なるテイストになっている。過去3作は、濱谷晃一プロデューサーが企画当初に思い描いた「すすきのダイハード」色を残していたように思える。

しかし本作は、緒川たまきが「下北をよく知っている人にとっては、よくある下北の風景っていう感じがすると思う」と語り、酒井若菜が「誰かにとっての青春のドラマとして、『昔こんなドラマがあってさー。すっごい好きだったんだよね』って、いつかどこかで、例えば下北沢の飲み屋なんかで誰かと誰かが会話してもらえるような、そういう作品だと思います」と述べ、志尊淳が「悲劇もある中、ドラマ性をすごく感じる部分もある。1話完結の中にギュっと含まれている濃密さは、すごく見どころだと思います」とアピールするように、本作はまさに「下北沢ダイハード」的な作品、と言えるのではないだろうか。

実は、濱谷プロデューサーは2016年のドラマ「徳山大五郎を誰が殺したか?」で喜安と仕事をともにしており、他の「下北沢ダイハード」脚本担当陣に先んじて「すすきのダイハード」の企画の話をしていたという。おそらくはそこから“下北沢的”に熟成する期間を持っていたであろう喜安浩平が、業界視聴率最大と噂のドラマシリーズにどんな新風を吹き込むのか、期待が募る。