雨と太陽に心を寄せるのは、案内人・日下と千秋(松本若菜)も。千秋はずっと雨に寄り添っていたが、ここにきて淡々としていた日下に変化が見られた。
会いに来た太陽を振り切ってバスに乗った雨に、太陽が追いかけていることを教えた千秋。千秋は「本当にいいの?」と言うが、雨はうつむいてただ涙を流すだけ。そこで日下の脳裏にあることがよぎる。「本当にいいんだね」と何者かの問い掛けに、「はい、後悔はしません」と答えている日下の声。
日下はおもむろに「イフタフ・ヤー・シムシム」と口にする。「この魔法にかけられたら、心の扉も開いてしまう。素直になれる特別な呪文です」と。それは「アラビアンナイト」に出てくる呪文だった。
「あなたは今日の選択をいつか後悔するでしょう。彼の元へ行っても、行かなくても、必ず後悔する。だったら今は、すべてを魔法のせいにして…、幸せな後悔をするべきだ」。
雨はバスを降り、太陽の元へ駆けて行き、「全部分からなくなっても、私のこと好きでいて」と告白した。
「アラビアンナイト」をポイントにして、雨と太陽の周囲の人々の温かさが“魔法”となって、2人の距離を再び近づけた。その温かさが胸に沁みる。2人の未来はつらいものに変わりはない。それでも今は幸せを、そして願わくばそれが続いてほしいと思わずにはいられない展開となった。
◆文=ザテレビジョンドラマ部
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