そんな危険なオペを大河が引き受ける訳は、辰巳の娘の手術をミスした執刀医の佐々木が、大河が昔世話になった医師だからだ。しかし、澪にとって辰巳は姉の敵。そんな人物の手術をなぜ引き受けるのか理解できず、警察に連絡しようとするが「2歳の子どもを見殺しにする気か?」と大河が聞く。
「目の前に助けられる命があるなら救う、それが医者だ。まだ医者としての魂があるのなら前へ進め!おまえの姉もそれをきっと望んでいるはずだ」。大河の言葉で、姉・唯(成海璃子)の“前向きに生きてほしい”という願いを思い出した澪は、悩んだ末、3日後に行われる辰巳の手術に助手として同行することを決める。
辰巳の移植手術当日。大河の車で辰巳の屋敷に向かう澪は「肝臓の摘出が終わって屋敷を出たら、すぐに橘に連絡して辰巳を逮捕してもらう」と決めていたが、屋敷に到着すると、辰巳の部下・清水(松角洋平)は「ボスの居場所を警察にリークされないため、違う場所で手術をしてもらいます」と二人を連れ出す。大河と澪は目隠しをされたまま、清水が用意した別の場所へ連れていかれ、そこで辰巳の手術をすることになった。
ドナー側・辰巳の手術が始まる。大河の執刀で辰巳の肝臓は無事摘出されるが、かん流を行うはずの助手がトラブルに見舞われ、急きょ大河がかん流を行うことに。「誰か、俺の代わりに縫合できるやついるか?」。誰も手を上げない中「私にやらせてください!」と志願したのは、澪だった。
相手が悪党でも、助けられる命があるなら救うのが医者。目の前の命を救うために、澪は縫合を始める。だが、やはり手が震え、目まいがする。そんな澪に、大河は「おまえと姉との思い出は、悲しいことだけだったわけじゃないだろ!」と叫ぶ。澪の脳裏に、唯との楽しかった日々の記憶がよみがえる。「私、なんでこんな大切なこと忘れてたんだろう」。その思い出に力をもらった澪は、完璧な縫合をしてみせるのだった。
辰巳の手術を終えた澪と大河は、再び目隠しをされて屋敷に戻ると、肝臓の入ったアイスボックスを持って娘の待つ病院へ急ぐ。移植手術は無事成功。佐々木は大河に礼を言うと「約束通り5000万振り込む」。大河がオペを引き受けたのは、お金のためだった。ニヤっとする大河の横で呆然とする澪をよそに、突然橘から「辰巳を逮捕した!」と連絡が入る。
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