玉山鉄二の振り切った演技が話題に 西島秀俊の新たな一面を引き出した名場面を振り返る「僕の知らない西島さんでした」<さよならマエストロ>

2024/02/10 07:00 配信

ドラマ インタビュー

「さよならマエストロ 〜父と私のアパッシオナート〜」第4話より(C)TBS

“古谷”の魅力は「純朴さ」「一生懸命さ」「愛嬌」


――誠実で心優しい晴見フィルハーモニーの団長・古谷。ここまで演じてきて改めて思う彼の魅力はどんなところでしょうか。

「純朴さ」「一生懸命さ」そして「愛嬌」ですかね。僕は古谷を演じるとき、この三つをすごく大事にしたいと思っていて。なんだか憎めないというか、視聴者の方々が持っている母性みたいなものをくすぐれるキャラクターになればいいなと思っています。

一応恋愛の要素もありますが、そこも変に生々しくなく、視聴者の方が見ていてほっこりできる感じにしたいなと。あまり台本を読んで決め打ちせず、現場で思い浮かんだものを止めどなくやってみてから、出し引きするように心掛けています。

――特に思い出深い回や印象的だったシーンを教えてください。

やっぱり古谷にスポットが当たる第4話は印象的です。大輝に志帆への思いをパンパンに膨らまされて浮かれている古谷や、すごく緊張して告白する古谷、志帆にときめいてキラキラしている古谷。

一方で、俊平に対しては引け目があるし、俊平に人として愛を持っていて、だからちょっと切ない気持ちを抱えていたりもする。第4話には、一辺倒じゃないいろいろな古谷の顔が詰まっていると思います。

――第4話では、志帆にプロポーズをした相手が誰なのかを探りながら指揮をする俊平と、悟られないように必死な古谷という、演奏会のシーンでのお二人のお芝居も見どころでした。

僕も何度か西島さんとご一緒していますが、あのシーンの終盤の西島さんと僕のカットバックとかは、僕の知らない西島さんのお芝居や表情が見られて新鮮でした。西島さんのマネージャーさんも「僕もあまりこういう西島は見たことないです」とおっしゃっていて。

そう思うと貴重な現場でご一緒させていただいているなと思うし、そういう西島さんのお芝居を噛み締めながら、どんな自分が出てくるかに自分自身もわくわくします。

――以前、楽団での撮影を「部活みたい」とおっしゃっていましたが、チーム感は高まっていますか?

そうですね、すごく居心地がいいです。現場にずっと残っていたいし、みんなとずっとおしゃべりしていたい感じ。僕自身、学生時代はずっと陸上部でしたが、それ以降みんなで何かを作り上げるということがあまりなかったなと思っていて。だからちょっとした青春みたいな感覚というか。

撮影が終わっても楽器を続けるかどうかは分からないですが、この作品が例えば今後また違う形でできて、またファゴットに出会えるかもしれないし。僕はそれを楽しみにしています。

――第5話以降は、さらに物語が進んでいきそうですね。

古谷に関しては“一生懸命”が故に笑えてくる感じになればいいなと思っていたので、驚いたときのリアクションをすごく強めにやったし、結構抑えることなくやり切っていて(笑)。彼が正直で純粋が故に笑えるポイントがたくさんあると思うので、楽しみにしていてください。

改めて感じるのが、このドラマって本当に悪い人やずるい人がいなくて、キャラクターみんなが一生懸命に生きていて、問題にぶち当たったときに一生懸命乗り越えようとしていますよね。そしてやっぱりチームで何かを乗り越えることの素晴らしさや清々しさもある。

今のような時代だからこそ、人が再生・成長していく姿を描いたこういう“王道”なドラマを、たくさんの方に見てもらいたいなと思います。

「さよならマエストロ 〜父と私のアパッシオナート〜」第4話より(C)TBS