修羅たちによる「最強」vs「最強」を描いた壮絶なバトルファンタジー「異修羅」(毎週水曜夜11:00-11:30ほか、TOKYO MXほか/ディズニープラスで見放題独占配信・YouTube・ABEMAで見逃し配信)。迫力のバトル描写はもちろんのこと、豪華キャスト陣が演じる個性溢れるキャラクターたちが織りなす重厚な人間ドラマも見どころの本作。2月14日に放送された「第七話」は、ついに黄都とリチア新公国の戦いの火蓋が切って落とされる「交戦開始」。(以下、ネタバレを含みます)
遠い鉤爪のユノ(CV:上田麗奈)と柳の剣のソウジロウ(CV:梶裕貴)のふたりは、黄都兵たちに同行する形でリチアとの国境付近の哨戒任務を行なっていた。隊長の話だと、黄都側も和平の道を模索してはいたものの、警めのタレン(CV:朴ロ美)の強硬的な態度により、戦争は避けられないだろうとのこと。退屈そうに話を聞いていたソウジロウだが、ふと足を止め「おい 敵がいるぞ」と表情を引き締める。視線のはるか先から歩いてきたのは、リチアの新戦力である海たるヒグアレ(CV:杉田智和)と音斬りシャルク(CV:山寺宏一)だった。黄都兵たちはリチアからの要請で哨戒任務を行なっているにも関わらず、シャルクはそんなことはおかまいなしとばかりに、制止の声も聞かずに襲いかかってくる。
朴訥で落ち着いた語り口の隊長のおかげもあって、任務中の黄都兵たちの雰囲気はどこかノンビリと感じられる。それはシャルクたちと会敵したあとも同じで、明らかに得体の知れない相手に対して通行許可印の提出を求めるなど、近い将来に戦争を控えた軍人としてはやはり危機感が足りないだろう。そんななかで、瞬時にシャルクたちの尋常ならざる強さを感じ取り、本能的に怯えるユノの姿が印象的だ。機魔(ゴーレム)やソウジロウとの出会いで強者に対する感覚が研ぎ澄まされたのか、軍人よりも鋭敏なセンサーが備わっていることが分かる。現段階では怯えるばかりで何もできないが、今後この能力が役に立つ機会もあるのかもしれない。一方、その点でソウジロウは発見した時点で「敵がいる」と告げている。瞬時に敵味方を判別する超嗅覚のようなものなのか、それとも敵だと思っておいたほうが対処しやすいからなのか、いずれにしろ一瞬で臨戦態勢を取っており、さすがの一言だ。
隊長に対するシャルクの一撃を防いだソウジロウは、お互いの力量を認め合い、一騎打ちでバトルへ突入。槍と剣の凄まじい技の応酬が続くなか、ヒグアレは黄都兵の全員を一瞬で殺害し、ユノだけが生かされる。ヒグアレは自身で馬を操れないため、騎手役としていちばん弱いユノだけを生かしており、彼女の乗馬で黄都への帰路に着く。一方、ソウジロウとシャルクの戦いはほぼ互角のまま、激しさを増していくのだった。
ここではもちろん、ソウジロウとシャルクの一騎打ちが見どころ。ここは放送前のPVでも描かれていたシーンだけに、ようやくここまでたどり着いたかという感慨とともに、想像以上に激しく、かつ洗練されたアクション作画は圧巻だった。SNS上でも「観たかった映像が……観たかったままに魅せてくれる!」、「修羅同士のバトルでガンガン動く! アニメありがとう!」と、感謝と賞賛の声で溢れていた。厳密に言えばシャルクは現時点では「修羅」に認定されてはいないが、ここまでの強者同士のガチタイマンは初描写のため、実質的には修羅対決と言ってもいいだろう。お互いに急所への一撃を繰り出しつつ、紙一重で避け続ける、まさにケレン味たっぷりなバトルシーンで、瞬き厳禁とはこのことだ。またこのシーンは会話も洒落っ気が効いている。シャルクのあまりに素早い攻撃で肩に傷をおったソウジロウに対し、「おっと悪い あんたはさっきの剣で全速力だったか? 止まって見えたぞ」と煽れば、「骨が…よくしゃべりやがる」と返すソウジロウ。紛れもない強者同士のヒリヒリした駆け引きが最高だ。実際、シャルクがどれくらい本気を出しているのかは不明だが、ソウジロウが目で追えないほどの超スピードを誇っているのはたしかで、手傷も追わせているあたり、互角以上の実力の持ち主かもしれない。ただソウジロウにしても、ゴーレム戦で使用していた飛ぶ斬撃や「無刀取り」という必殺技も使っていない。どちらもまだまだ底が見えないのがまた面白い。
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