<おっさんずラブ-リターンズ->Pが明かす田中圭らキャストの魅力「超絶技巧をオファーできるのは、日本で田中圭さんだけ」

2024/02/22 07:00 配信

ドラマ インタビュー

井浦新&三浦翔平には「むしろ頼るような気持ちの方が強かった」


――今シーズンから参加の井浦新さん、三浦翔平さんの起用理由を教えてください。

今回はキャスティングというより、新しい家族を迎え入れるような感覚がありました。どんな作品でも「続編に新規参入する」というのは相応の負荷がかかると思います。同時に、現メンバーを脅かすような新たな風を巻き起こしてほしいという期待感もある。誰となら、共に覚悟を背負いながら、楽しんで作品作りに立ち向かえるか…そう考えた時に、井浦さんと三浦さんが浮かびました。

「にじいろカルテ」(2021年)や「あのときキスしておけば」(2021年)でご一緒していて、人柄としても俳優としても尊敬する彼らだからこそお願いしたいと、むしろ頼るような気持ちの方が強かったと思います。

――お二人のキャラクターはどのように作られたのでしょう?

「お隣さん」「公安」など大枠は決まっていましたが、細かい性格やキャラの持つ雰囲気は、お二人が決定したあとに「これまでドラマで見たことがない魅力を引き出したい」という気持ちで設定を落とし込みました。

――井浦さん、三浦さんの現場での様子はいかがでしょうか?

井浦さんは空気清浄機のような、大きな天使のような人です。和泉も「いずぽや」と親しまれていますが、新さん自身もぽやぽやしていらっしゃって現場で「あらぽや」と呼ばれたりしています(笑)。

が、本番になると予想もしないお芝居が飛び出すので日々驚かされます。たまにお芝居の相談をしてくださる時も、脚本の深淵を読み解いていらっしゃってうれしくなりますし、新さんの表現力の奥底には、彼の人柄に由来する深さがあるのだなと思います。

三浦さんはパブリックイメージよりも、ちょこっと不器用でとても真面目な人で、菊之助に近い人だと私は思っています。

井浦さんのことが大好きなのですが、いつもツンデレ対応されていて(笑)、でもクランクインで緊張している時に井浦さんが急にサプライズで抱きしめたり、和泉と菊のシーンの最中で急にト書きにない行動で優しくしたり…という時の、三浦さんの少年のようなはにかみ笑顔がとてもかわいらしく、二人の関係性がドラマに良い影響を与えてくださったなと思っています。

あとは、三浦さんは誰より早くからクランクアップを寂しがって「半年くらいやりたかった…」と小さな声でおっしゃっていて、ほっこりしました。

レギュラーキャストの面々は、非常に心強い存在


――レギュラーキャストそれぞれの魅力も教えてください。

5年の間にさまざまな主演作を経て再集合してくださったレギュラーキャストの面々は、非常に心強い存在です。

相変わらず眞島秀和さんは非常に真面目な方で、本番前に神妙な顔で「ちゃんと演じられるだろうか…」と漏らした10秒後に、びっくりするほど振り切ったクレイジーなお芝居をなさって、なのにカットがかかった瞬間「大丈夫だった…?」と不安そうにいらっしゃる。その恐ろしいまでのまっすぐさがある意味で武川らしく、全力投球してくださっているのだなとありがたく感じます。

5年前は初々しかった金子大地くんもすっかり貫禄が増して“大人の男”の風格を感じます。が、大塚寧々さんとのシーンではやっぱり照れながら演じている姿を見ると、かわいらしいマロのままだなと思ったりもします(笑)。

マロと蝶子のその後は描きたかった部分なので、個人的にも見ていて楽しいです。和泉や菊之助の人生相談にそっと乗るのも、蝶子らしく、そして寧々さんらしくて温かいなと思います。

内田理央さん演じる今作のちずは、ものすごくカッコよくてかわいくて、個人的に「大好きで賞!」をあげたいくらい成長したキャラクターになったと思います。春田をバッサリ斬りながらも背中を押す優しさや、牧の親友としての心強さが魅力的で、それは内田さんの中から湧き出るものだなと感じます。

伊藤修子さんの第7話の「6人で家族じゃない」のシーンや、児嶋一哉さんの第6話の結婚前夜に春田に価値観について語るシーンなど、前シーズンで描き切れなかった全キャラクターたちの“熱いシーン”の数々が今作を支えていると思います。