――個人的に気に入っているシーンやせりふはありますか?
北川:全話通してのポイントとしては、個人的に二つあります。
ひとつが「正義は今だ」というせりふ。第1話で剛太郎が「正義は今だ」と言うのですが、「正義って非常に曖昧模糊な価値観だから言い切るのって危険だよね」とみんなが思いつつ、でもメッセージとして必要なタイミングで、あの言葉を言わせているんです。それが2話以降、少しずつ言い回しが変化しています。そこを各話見てほしいなと思います。
そしてもう一つが、各話で出てくる事件関係者の思いや弱さ。今回はドラマなのでちゃんと昇華されますが、無念のまま闇に葬られていること、見過ごされている方って多分たくさんいると思うんです。それを各話で感じ取ってもらえたらと思っています。
中島:僕は、今までそんなにやる気のなかった審査会メンバーが、剛太郎を中心に一生懸命取り組んでいる姿に打たれて積極参加していくようになる、変わっていく姿にとても感動しました。ただ、そういった形に前のめりになっていくからこそ、第6話では悲しい事態に直面するんですよね。ですが、団結力が芽生えてくるシーンはとても好きな部分です。
あとは、第1話でおしの沙羅さん演じる鳥井千加子がめちゃくちゃいい仕事をしたなと思っていて。彼女が酔っ払いの芝居をしたことで「このドラマはこういう風に笑って見ていいんだ」「審査会って面白いものなんだ」と視聴者の方に教えられたと思います。
そして、やはりココリコの田中さんが巨悪を演じてくださったのがうれしかったです。お芝居は前々からやられていますが、優しい男性の役が多かった印象があって。これまでのテレビ出演が盛大な振りになっていると感じるくらい、悪がすごく効いていると思います。
――クライマックスにかけての見どころを教えてください!
北川:検察審査会の中に裏切り者がいたり、それが判明したりと、第5話から縦軸にドライブがかかってきています。
検察審査会 VS 検察という構図がはっきりしていく中で、どういう悪い人間が出てきて、そして田中さん演じる桧山とどう相対し、どう落とし前をつけていくのかというのが、第7話、そして第8話になっています。
中島:第6話が、事件を解決したことで不幸になる方が出てしまうという、今までにないパターンの終わり方をしました。剛太郎たちは、これまで自分たちが信じる正義のために、人のために審査会を頑張ってきたけれど、自分たちの下した判断が人を不幸にしてしまう。
それをきっかけに、第7話で審査会がバラバラになってしまうんです。そこから第8話で、また剛太郎を中心にもう一度…という働きかけがあり検察に立ち向かうところは、これからの見どころかなと思います。
――最後に、放送を楽しみにしている皆さんへのメッセージをお願いします。
北川:検察審査会という、一般の方々を救う最後の砦があることを知ってもらえるとうれしいです。ただ、楽しみ方は見てくださった方のものなので、良い意見はもちろん、悪い意見も受け止めます!
中島:この作品を見て、意外と身近なことなのかもしれないと思っていただけたらいいなと思っています。
審査会メンバーになる確率は、0.007%。昭和23年に立ち上がってから今まで、補助員も含めると60数万人が審査員に選ばれています。人数を聞くと「自分もいつか選ばれるのかな」と感じますが、年間1万4000人にひとりしか当たらないので、選ばれるかというとそうではないことが大半だと思います。ですが、実際に審査会に参加している一般の方がいて、堅苦しくない身近なものなんだよということが伝えられたらうれしいです。
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