「志摩廉造は"息遣い"と"さじ加減"を意識…収録ではある事件も」遊佐浩二SPインタビュー<青の祓魔師 島根啓明結社篇>

出雲の胸を貫くシーンは凝った演出でよりドラマチックに


――過去の2シーズンで、もっとも印象に残っているシーンはどこですか?

遊佐 「京都不浄王篇」の入りは印象深いです。第1作目の後半はアニメオリジナルストーリーだったので、燐との距離がけっこう縮まった状態で終わっていたんです。でも「京都不浄王篇」では、みんなが燐を怖がる状況から始まるじゃないですか。一度仲良くなった雰囲気を覚えているので、最初は戸惑ったのを覚えていますね。

――なるほど。ちなみに志摩は「島根啓明結社篇」でイルミナティのスパイであることが明かされました。遊佐さんは「京都不浄王篇」で志摩を演じる際、すでにこの展開はご存知だったんですか?

遊佐 原作を読んでいるので、知ってはいました。ただ「京都不浄王篇」の志摩って、別にそんなに裏があるわけではないんですよね。子猫丸の前から逃げたのも、また戻ってきたのも彼の本心の葛藤からなので、そこはわりと素直に演じていましたね。

――ここからは「島根啓明結社篇」の話を振り返っていきます。まず序盤は学園祭のダンスパーティーに女子を誘って振られまくるなど、コメディ全開でしたね。

遊佐 このときの志摩も裏があるわけではなく、本心からの行動だったと思います。

「青の祓魔師 島根啓明結社篇」第3話より(C)加藤和恵/集英社・「青の祓魔師」製作委員会

――だからこそ、その後の展開がショッキングでした。志摩の正体が判明する前後のお芝居はいかがでしたか?

遊佐 志摩が出雲の胸を貫くシーンは、音響監督さんのディレクションもあって、しっかりとした演出がのりました。僕が最初に出した芝居だと「それはアカン」まで、わりとサラッとした感じだったんですけど、このセリフからもっと雰囲気を出していいということだったので、「それはアカン」にかなり含みを持たせたんです。結果的にここはスローっぽい演出も入って、志摩の裏切りがよりドラマチックに描かれたシーンになりましたね。

「青の祓魔師 島根啓明結社篇」第4話より(C)加藤和恵/集英社・「青の祓魔師」製作委員会

――明王クラスの悪魔まで召喚できるなど、強さも際立っていました。

遊佐 僕もビックリです。初めに志摩を演じたときは、まさかあんなにスラスラと詠唱する日が来るなんて思っていませんでしたから(笑)。

「青の祓魔師 島根啓明結社篇」第7話より(C)加藤和恵/集英社・「青の祓魔師」製作委員会